更年期障害

「のぼせ」「ほてり」は更年期障害のサイン!?

急に顔が赤くなったり、暑さを感じていないのにのぼせたり…。

それは更年期の症状の1つ、「ホットフラッシュ」かもしれません。

ここでは更年期障害として多く見られる「のぼせ」や「ほてり」について、

その特徴や原因、改善策について紹介しています。

 

「のぼせ」「ほてり」の特徴

もともと、私たち人間は外気温が変化しても一定の体温を保てるようになっています。

暑くなれば血管を広げたり汗をかいたりして熱を放出し、

寒くなれば血管を収縮させて熱の放出を抑え、震えによって体温を上げる…という具合です。

例えば、入浴や運動をした後などは体温が上昇しているため、体がほてったりのぼせたりしますね。

急激に日焼けするとその部分の肌がほてりますし、

感染症にかかった場合は全身が熱をもってほてることもあります。

また、恥ずかしい思いをしたときに顔が紅潮するなどの経験もあることでしょう。

一般的にこのような体感について、

体の一部あるいは全身に異常な熱を感じることを「ほてり」、

それが頭や顔に生じたものを「のぼせ」といいます。

 
しかし、閉経前後にあたる更年期…40~50歳代の女性には、

こういった体温調節や感情の変化とは無関係に「のぼせ」や「ほてり」を感じる人が増えてきます。

中にはこれらの症状と共に大量の汗をかく、汗が止まらないといった「多汗」が現れる人もいます。

このような理由が思い当たらない「のぼせ」「ほてり」と「多汗」をあわせて

ホットフラッシュ”といい、更年期に多く見られる症状の一部です。

また、上半身はほてっているのに、下半身だけが冷えているといった

「冷えのぼせ」になることもあります。

 
日本女性心身医学会によると、

更年期症状による「のぼせ」や「ほてり」の典型的なものには、次のような特徴があるそうです。

  • 胸から頭にかけて強い熱感が広がる
  • 発汗や動悸を伴うことが多い
  • 時間や場所を選ばない

こういった「のぼせ」「ほてり」は、症状が現れる頻度や程度、その持続時間などの個人差が激しく、

同一人物でも毎回症状の出方が違ったりします。

また、発症した人の85%が1年以上続いたという経験があるそうです。

 
中には「のぼせ」「ほてり」が頻繁に起こったり、大量の汗に悩んだりし、

日常生活に支障をきたすことも稀ではありません。

こういった症状の場合は、特に「更年期障害」と呼ばれ、何らかの対策や治療が必要な人もいます。

 

ホットフラッシュの原因

それでは、更年期障害としての「のぼせ」や「ほてり」といったホットフラッシュは

なぜ起こるのでしょうか?

はっきりと因果関係が確認されているわけではないのですが、

これらの症状が起こる大きな原因に“エストロゲン”という女性ホルモンの減少があると見られています。

もう少し詳しく説明しますね。

 
ホットフラッシュが現れるのは40~50歳代、つまり閉経前後の女性です。

閉経とは月経が1年以上ない状態を指しますが、

この“月経がなくなる”ことが女性の不調に影響していると考えられているのです。

順調な女性なら約28日周期で巡ってくる月経ですが、

これは脳の視床下部が脳下垂体へ、脳下垂体が卵巣へとホルモンによって指示を出すことで起こります。

ところが、卵巣は35歳頃を境にその機能が低下しはじめ、

40歳を過ぎたころには脳下垂体の指示に従えなくなってくるのです。

本来であれば、卵巣にある“卵胞”という卵子の入った袋が成熟する過程でエストロゲンが分泌され、

視床下部は血液中のエストロゲン量を感知し、指示が実行されたことを認識します。

ところが、卵巣が機能低下してエストロゲンが分泌されないでいると、

視床下部は指示通りに進んでいないと認識し、

さらに脳下垂体へホルモンを分泌して卵巣に働きかけます。

でも、卵巣は十分なエストロゲンを分泌することができません。

こうなると、視床下部はパニックを起こしてしまうのです。

 
では、なぜ視床下部がパニックを起こしたことがホットフラッシュの原因になるのでしょうか?

実は、視床下部にはこういった機能の他に、自律神経を支配する機能も備わっているのです。

そして、この自律神経こそが血管の拡張や収縮といった体温調節など、体の様々な調整を司っているのです。

そのため、視床下部が自律神経をうまくコントロールできなくなり、

結果として顔の紅潮やのぼせ、発汗などを引き起こすと考えられています。

 
因果関係がはっきりしていないと書きましたが、

エストロゲンを補充すると改善を見られるケースがほとんどであることは確認されています。

ただし、エストロゲン不足だけが原因であるなら、

若い無月経の女性でもホットフラッシュが見られるはずなのですが、これは事例が少ないそうです。

ですから、ホットフラッシュの原因は、

エストロゲン不足を出発点として連鎖的に自律神経の失調が起きていることに加え、

別の要因も絡んでいると見られています。

そして、別の要因として可能性が高いのが、ストレスだといわれています。

更年期にあたる女性は、夫や子供の面倒だけでなく、

親の介護や金銭的負担も大きくのしかかってくる年代に当たります。

そのため精神的・肉体的ストレスも大きく、

これが自律神経の不調に大きく影響を与えると考えられているのです。

事実、悩み事を抱えている人・心配性な人ほど

ホットフラッシュが起こりやすく重症化しやすいという報告もあり、

他の更年期障害の症状と気質の関係性も注目されています。

このように閉経によるエストロゲンの減少ストレスによる影響が複雑に絡み合って

のぼせ・ほてりを起こしていると捉えるのが良いようです。

 
なお、更年期症状だけでなく、病気としてほてりやのぼせが見られることもあります。

特に「甲状腺機能亢進症」「自律神経失調症」は似た症状が出るので注意が必要です。

気になることがあれば医療機関を受診するようにしましょう。

 

改善する方法

「のぼせ」や「ほてり」は急に現れることが多く、外出しているときなどは困ることもありますね。

早く解消するにはウェットティッシュや塗らしたタオルなどで首筋などを冷やすことですが、

一時的な対処であって、解決にはなりません。

また、ホットフラッシュだけでなく、

「めまい」や「イライラ」「無気力感」など他の更年期症状も併発する女性が多いため、

様々な場面で生活に支障がおこるケースもあることでしょう。

 
このような更年期症状にはストレスも関与するため、

まずは自分なりのリラックス法を見つけるのが一番です。

ヨガや腹式呼吸を行う、好きな音楽を聞く、バスタイムをゆっくり過ごす…なんでもOKです。

また、ウォーキングやストレッチなど軽めの運動を行って汗を流すのも良いですし、

趣味に没頭するのも良いストレス解消になるのでおすすめです。

大切なのは深刻に考えすぎないこと

更年期は約10年間…もう少し長い人もいますが、いずれ体も落ち着いてきます。

自分の体と折り合いながら、上手に時を重ねていきましょう。

 
そうはいっても、もう少し積極的にホットフラッシュなどを改善したい人、

悪化させたくない人もいると思います。

そこで、食事ツボなどを利用して改善する方法を紹介します。

自分が取り入れやすいものを実践してみてくださいね。

食事

食事は栄養面だけでなく、その成分が体に作用することがあり、

これがホットフラッシュにも影響する場合があります。

ホットフラッシュは上半身に多いのですが、

下半身では逆に血行が悪くなって「冷え」の状態も併発していると言われるため、

のぼせやほてりで熱を感じていても、体全体を冷やすことは良くありません。

食事でも体を冷やすものを避けることが効果的といわれています。

体を冷やす食事には、次のものがあげられます。

  • 砂糖を大量に含んだもの(菓子類、飲み物など)
  • 暑い時期に旬を迎える野菜や果物(トマト、キュウリ、梨、スイカ、柿、バナナなど)
  • カフェイン・アルコールを含むもの(温・冷どちらも)

大切な栄養素を含むものも多いので、

「摂ってはいけない」のではなく「摂り過ぎに注意」するようにしましょう。

ツボ

東洋医学では「のぼせ」や「ほてり」は気の巡りが滞っており

上から下へと流れにくい状態になっていると捉えます。

これを改善するツボで、比較的押しやすい部位を紹介しましょう。

三陰交(さんいんこう)

足首にある内くるぶしの上に指を当て、膝方向に指4本分上がったところにあるのが「三陰交」です。

太い骨に沿って“くぼみ”を探すと見つけやすいですよ。

親指を当て、強めにグイッと押しましょう。

血海(けっかい)

膝の骨(いわゆるお皿)の内側から指3本分上にあるツボです。

上に集まった気を下げるのに効果的と言われています。

少しくぼんでいて、指で押すと痛みがあります。座っているときに刺激しやすい部位ですね。

刺激するときは太もも下部をつかむようにしてツボに親指を当てると押しやすいですよ。

少し強めがおすすめです。

丹田(たんでん)

おへその下、指4本分にあるツボです。

丹田は冷えの解消に効果があると言われ、

下半身の血液循環を良くして上半身に集中した血流を分散させる効果があります。

カイロなどで温めるだけでも冷えが解消できるので、誰にも気づかれずに刺激できるツボです。

薬・サプリメント

食事の見直しやツボなどで効果が見られない場合は、

薬やサプリメントによって不足しているエストロゲンや似た作用を持つ物質を補充したり、

血行を良くする成分を摂ったりして改善できる場合もあります。

最も効果が高いのは「ホルモン補充療法」で、

ホットフラッシュをはじめとする様々な更年期障害の治療に用いられています。

不調の原因となっているエストロゲンを飲み薬・パッチ剤・塗り薬などで体内に摂り込み、

不足分を補う方法です。

個人差はありますが、治療を始めてから1~2週間程度で

症状の緩和・改善がみられるという結果が出ています。

一方で、子宮体ガンなどの副作用も知られており、

エストロゲンだけでなく別のホルモンも併せて補うことが必要です。

医師の適切な指導の下で行えば危険性は少ないとされているので、必ず従うようにしましょう。

 
また、漢方薬によって体調の改善を試みる方法もあります。

市販薬もありますが、病院で処方されるものや、漢方の専門薬局で販売されているものもあります。

病院を受診したもののホルモン補充療法には抵抗があるという人は、

漢方薬の処方をお願いしてみると良いでしょう。

作用は穏やかですが、長期的に服用しても副作用が少なく安心です。

ただし、漢方薬は同じ効用でも体質によって使う生薬が異なっていたり、

飲み合わせの良し悪しがあったりしますので、

できれば専門医や薬剤師などに相談して、自分の体質に合ったものを選びましょう。

市販薬の中にはホットフラッシュなどに効果がある生薬とビタミンを配合した製剤もありますよ。

サプリメント

ホットフラッシュを手軽に緩和したいのなら、サプリメントを使う方法もあります。

エストロゲンに似た働きをする「大豆イソフラボン」や「エクオール」を補給するタイプが

最も一般的です。

「ローヤルゼリー」の主成分であるデセン酸も同様の効果が期待できます。

また、血の巡りを改善してホットフラッシュの軽減に効果的と言われているのが「田七人参」です。

「ビタミンE」にも自律神経の働きを整えて血行を改善する働きがあるので、おすすめですよ。

 
更年期障害向けのサプリメントは複数の成分を含むものが主流ですが、

ホットフラッシュに悩んでいるのであれば、エストロゲンの働きを補う成分とともに、

血行改善効果のある成分も含んでいることを確認して購入するといいですね。

サプリメントの効果は薬ほど高くありませんが、軽い症状なら改善できるケースもたくさんあります。

手軽に購入できる点も魅力ですので、試す価値はあると思います。

症状が重い場合は、医療機関を受診してくださいね。

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