更年期障害

更年期障害と頭痛の深い関係

頭痛には頻繁に起こりやすい人と、比較的症状が起きにくい人がいます。

しかし、更年期を迎えると、

今まであまり症状が見られなかった人の中にも頭痛を訴える人が増えてきます

そして、もともと頭痛を抱えていた人の中には、さらに頻度が増す人もいます。

なぜ、更年期に頭痛の症状が出やすくなるのでしょうか?

ここでは、更年期障害としての“頭痛”が起こる原因特徴対処の仕方や改善策について紹介します。

 

頭痛がおきる理由と種類

大正製薬㈱によると、頭痛で悩んでいる人は全国で3,000万人いるそうです。

ざっと計算すると、日本人の3~4人に1人が“頭痛もち”となりますから、驚きですね。

しかも、ある調査によると女性の方が頭痛を訴えることが多いといわれており、

後述しますが、生理や閉経などのホルモンバランスが影響している可能性があるとされています。

しかし、実際のところ頭痛が発生する詳しいメカニズムは解明されていません。

今のところ、末梢神経などが受け取った“痛み”のサインが、脊髄の神経を経由して脳に伝わり、

中枢で受信されることによって痛みを感じると考えられています。

一般的な頭痛の要因としては、

  • 血管の拡張
  • 筋肉の緊張
  • 精神的緊張

などが考えられますが、そもそもの原因は生活習慣体質にあると言われています。

これらの多くは頭痛を訴えて病院で検査をしても原因が特定できないことも多く、

機能性頭痛と呼ばれています。

機能性頭痛は、その症状や特徴によって次のように分類されています。

  • 片頭痛(偏頭痛とも表記します)
  • 緊張型頭痛
  • 群発頭痛

このうち、更年期に関係するのは「片頭痛」と「緊張型頭痛」と言われており、

次項で詳しく触れますね。

もう一つの「群発頭痛」は男性に多いと言われる発作的な頭痛です。

典型的なものは、ほぼ毎日同時刻に発生し、それが数週間~数か月間続いたあと落ち着きますが、

また翌年の同じ時期に発症する…といったことが繰り返される周期性があるのが特徴です。

アルコールを飲むと発作が誘発されると言われており、かなりの激痛を伴う頭痛です。

 
そのほか、いわゆる病気ケガの症状の1つとして起こる頭痛もあり、

  • 耳・歯・鼻などの痛みと関連するもの
  • 頭部の神経の損傷によるもの
  • 脳腫瘍、クモ膜下出血など脳の病気による牽引性や炎症性によるもの

などを原因とするものは、見過ごしてはならない頭痛です。

すぐに受診しましょう。

 

更年期障害の頭痛について

頭痛は更年期障害の症状の中でも代表的なもので、訴える人は6~7割にのぼるとされています。

なぜ、更年期に頭痛が起こりやすいのでしょうか?

原因

更年期とは卵巣が機能を停止する「閉経」の前後10年間を指します。

つまり更年期が始まる頃には卵巣の機能が低下し始めているので、

そこから分泌される女性ホルモン「エストロゲン」の量も極端に減っている状態です。

このエストロゲンの分泌は、もともと脳の視床下部の指示で行われているのですが、

卵巣の機能低下によってエストロゲンの分泌が行われないと、視床下部は混乱してしまいます。

さらに、視床下部は血管の収縮や拡張を司る「自律神経」もコントロールしています。

その結果、自律神経も混乱を起こして全身の血流が悪くなり、脳への血液の供給が不安定になります。

このため、更年期障害では血流のコントロールが上手くいかなくなることで発症する頭痛や、

のぼせ・ほてり・多汗といったホットフラッシュなどが起こりやすくなると見られています。

 
さらに、自律神経の不調以外にも頭痛の原因となるものがあります。

それは、ストレスです。

「ストレス」と「痛み」の中枢回路がオーバーラップしているため、

ストレスと痛みには密接な関係があることがわかっています。

更年期世代の女性は、このような体調の大きな変化に加えて、

自分を取り巻く環境も大きく変化する時期にさしかかり、ストレスも抱え込んでいます。

例えば、子供の進学、親の介護・相続、夫のリストラ・転勤・退職などのタイミングは

更年期の時期と重なることが多いですね。

これらに伴う資金面の負担や様々な不安も大きなストレスとなり、

痛みに影響を与えていると考えられているのです。

このような環境の変化やそれに伴うストレスと、エストロゲン低下による自律神経の不調が、

頭痛を含めた多くの更年期障害の引き金になっているといわれています。

中でも、頭痛は更年期症状の中でもストレスとの関係が深いと見られています。

次項で詳しく触れますね。

種類と特徴

ひとくくりに「頭痛」といっても症状の出方や強さは人によって様々です。

「一日中、鈍い痛みがある」「ズキズキ痛む」「締め付けられるように痛い」という人もいますし、

頭痛の他にイライラやホットフラッシュ、吐き気などの症状を併発する人もいます。

しかし、タイプに違いはあっても、

更年期障害の頭痛はほとんどが「片頭痛」と「緊張型頭痛」であると言われています。

詳しく見てみましょう。

片頭痛(偏頭痛)

片頭痛は、頭の片側または両側にズキンズキンと響くような痛みがあるのが特徴で、

もともと20代から40代の女性に多くみられます。

人によっては音や光に反応して痛みが発生することがあり、吐き気を伴うことも少なくありません。

原因は頭蓋骨の中で血管が広がり、炎症を起こしていることにあると見られていますが、

女性に多いことから女性ホルモンの影響も考えられています。

 
エスエス製薬㈱によると、

片頭痛がある人の約75%に頭痛を引き起こす何らかの“きっかけ”があるといわれています。

その中でも「ストレス」は頭痛の引き金になることが多く、

片頭痛のある人の約60%はストレスがあるときに、

約25%はストレスから解放されたときに頭痛が起きると感じているという調査結果があるそうです。

更年期の女性は多くのストレスを抱え込みやすい世代と言えるので、

エストロゲン低下による自律神経の不調と相まって、頭痛を起こしやすい状況にあると言えるでしょう。

 
また、片頭痛は神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が低下し、

血流が滞って痛み物質がたまるために起こるともいわれています。

セロトニンは痛みに関わる物質とされているので、その点も関係しているかもしれませんね。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、“孫悟空の輪”のように頭をきつい輪で締め付けられるような痛みが特徴です。

頭全体が痛むことが多く、ストレス肩こり眼精疲労などによって起こりやすい頭痛です。

 
長時間のデスクワークなど同じ姿勢をとり続けると、

首筋や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなることが頭痛の原因と見られています。

頭痛の前や発症に伴って肩や首の「コリ」を感じる人が多いのも特徴です。

 
また、精神的なストレスでも緊張型頭痛は起こります。

これはストレスを受けると体が強ばりやすくなるためで、特に首や肩甲骨周りの筋肉が緊張しやすくなります。

これによっても血行不良を招くので、頭痛が起きてしまうわけです。

 
なお、更年期障害の症状と区別しにくい頭痛に「眼精疲労」によるものがあります。

眼精疲労とは、目を酷使した時に目の筋肉に疲労とコリが溜まることで、

その筋肉がつながっている首や肩にも影響して血行不良を起こしたときにも頭痛が生じます。

更年期世代の女性は、ちょうど視力が衰えはじめる「老眼」の時期とも重なります。

このため、眼精疲労による頭痛を更年期症状と間違えてしまうこともあるのです。

ホルモンが関与せず、視力の低下だけが原因なら、メガネを利用すると頭痛が解消されますよ。

片頭痛・緊張型頭痛の混合タイプ

更年期症状の頭痛の中にはどちらのタイプの頭痛も発症していることがあり、

両方の要因が混在していると考えられます。

詳しくは次項で述べますが、頭痛のタイプによって対処法が異なるため、

感じている頭痛がどちらなのか見極めることが大切です。

くれぐれも無理を重ねないようにしましょう。

 

改善策

いわゆる「頭痛持ち」といわれるような片頭痛や緊張型頭痛なら緊急性は低い場合が多いのですが、

急激に発症する頭痛やいつもと違う強い痛みがあるような場合は

急いで病院に行くことをおすすめします。

これらの頭痛には、

クモ膜下出血脳出血のような脳内の異常が原因で起きていることがあるからです。

それ以外の慢性的な頭痛の場合は、生活習慣ストレスが原因となっていることが多いと言われています。

更年期の場合はこれにプラスしてエストロゲン低下による自律神経の不調が絡んできますから、

この要素も考慮して見直してみると良いでしょう。

改善策を紹介しますので、自分に当てはまるものを中心に実践してみてくださいね。

なお、頭痛の種類によって対処法が変わるものもあります。

症状によって適切な方法を選択してください。

ストレッチ

緊張型頭痛の血行改善が目的です。

同じ姿勢をとり続けることで強ばった肩や首の筋肉をほぐし、血流を改善してあげましょう。

肩甲骨を寄せるように手を背中側で組んだり、

耳が肩につくようにゆっくりと片側ずつ伸ばしたりすると効果的です。

小まめに肩の上げ下げをしたり、首を回したりするストレッチを行っておくと予防にもなりますよ。

体を休める

頭痛は疲労やストレスが溜まった証拠でもありますから、頭痛を感じたら体を休めることも大切です。

できれば睡眠時間をしっかりとるように心掛けましょう。

睡眠は体だけでなく、脳を休ませる効果もあります。

睡眠時間や質が不十分だと体と心に影響を及ぼしますので、

症状が出やすいときはきちんと眠るようにしましょう。

日本人の場合、睡眠時間の平均は6~8時間と言われていますが、

これが適正かどうかは人によって違いがあります。

良質な睡眠であれば、数時間でも不調は起こらないと言われていますので、

自分に合った睡眠時間を知っておくことも大切ですね。

 
なお、片頭痛は睡眠時間が長すぎても短すぎても起こるきっかけになります

これは睡眠がホルモン分泌などに作用しているためではないかと考えられています。

また、片頭痛の場合は、光や音が影響しない暗く静かな場所で休むようにしましょう。

温めるor冷やす

緊張型頭痛は筋肉の強ばりが引き金になることがありますが、

その原因に体の冷えが関係していることがあります。

特に、下半身が冷えると全身の血流が悪くなりやすいので、

冬場の寒さだけでなく夏場のエアコンによる冷えにも注意して、

ひざ掛けや羽織りものなどで冷えを予防できるようにしましょう。

また、補正下着などによる衣服の締め付けで血行不良を促進してしまうこともあります。

緊張型頭痛の人は締め付けすぎないように気をつけましょう。

入浴して体全体の血行を促すのも効果的です。

外出中は使い捨てカイロ蒸しタオルなどで首筋を温めてあげると、症状が和らぎますよ。

 
一方、片頭痛の場合は、冷やすのが基本です。

温めると血管を広げてしまうため逆効果となるので、

頭痛があるときは運動・マッサージ・入浴などを控えるようにしましょう。

首筋や頭部を濡らしたタオル保冷剤などで冷やし、暗く静かな部屋で休むと症状が落ち着きますよ。

薬・食事・サプリメント

頭痛があるのに、無理して我慢するのはよくありません。

辛い時には市販の頭痛薬などを利用して、痛みを抑えるのが良いでしょう。

ただし、長期間にわたって薬を使い続けると、胃に負担をかけてしまいます。

医師に相談して、適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

 
また、頭痛以外の更年期障害も併発している場合は

ホルモン補充療法」を受けると多くの症状が一度に改善できます。

もし不安を感じるのであれば、漢方薬の処方をお願いすることもできます。

更年期障害のように数年間にわたって治療が必要な場合は、

作用は穏やかでも安心できる薬を望む女性も多く、現在では多くの病院で漢方薬を取り扱っています。

婦人科や更年期外来などを受診して、希望を伝えてみましょう。

 
でも、もう少し手軽に頭痛を起こりにくくすることができれば一番良いですね。

前述の対策とともに、食事で改善を図ることもできます。

次の成分の不足が頭痛の発生に関係していたり、

補うことで症状を軽減したりする効果があると言われていますので、

意識して摂ってみるのもいいですね。

 

《更年期障害の頭痛に効果的な成分》
成分作用多く含む食材
大豆イソフラボン、
エクオール
エストロゲン低下による自律神経の乱れを整えてくれるので、更年期障害の頭痛に効果的です。大豆、大豆加工品
ビタミンB群
自律神経の安定、セロトニンの代謝などに作用します。特にビタミンB2には片頭痛の予防効果があると言われています。
豚肉、魚など
ビタミンE
血行促進効果があるので、緊張型頭痛の緩和に効果が期待できます。
豆類、緑黄色野菜、
穀類など
マグネシウム
血管の収縮を抑制したり、炎症を和らげたりする効果があるので、頭痛の軽減が期待できます。
納豆など大豆加工品、
ひじき、ワカメなどの海藻類、
アサリなどの貝類
カフェイン血管収縮効果があるので、片頭痛に対して効果があります。ただし、飲み過ぎると頭痛が起きる場合もあります。
コーヒー換算で
1日3杯程度

また、これらの成分はサプリメントからも摂取することができます。

吸収率は食品の方が良い場合もありますが、一定量を手軽に摂れるという点ではとても便利です。

上手に利用していきましょう。

関連記事

  1. 更年期障害

    「汗」と更年期障害 その原因と対処法について

    何の前触れもなく溢れ出す大量の汗。外出中なら人目も気に…

  2. 更年期障害

    もう「イライラ」しない!更年期障害との付き合い方

    自分で感情のコントロールができないのは、本当に辛いことです。…

  3. 更年期障害

    更年期障害に効くのはイソフラボン?エクオール?

    不意に訪れる更年期障害の症状に、毎日辛い思いをしている女性も少…

  4. 更年期障害

    更年期障害の治療薬に副作用はある?

    更年期は誰にでも訪れるものですが、その症状は人それぞれです。…

  5. 更年期障害

    更年期との上手な付き合い方

    40歳前後になると現れてくる様々な不調に、人知れず悩む女性も少…

  6. 更年期障害

    市販薬を利用した更年期障害との向き合い方

    風邪をひいたとしても病院へは行かず、そのまま回復するのを待つこ…

更年期障害に関する記事

最近の記事

  1. 高血圧・動脈硬化

    上がる?下がる?高血圧の人の正しいお風呂とは
  2. 更年期障害

    更年期障害はプラセンタ注射で改善する!
  3. 高血圧・動脈硬化

    高血圧の薬はすぐ効く?降圧剤の作用や即効性について
  4. 高血圧・動脈硬化

    気をつけよう!妊娠中の高血圧
  5. 高血圧・動脈硬化

    その頭痛は高血圧のせい?原因と改善策について
PAGE TOP