更年期障害

更年期障害をマッサージで改善!

最近では更年期障害を積極的に改善しようとする女性が増えてきました。

しかし、婦人科に行くことや薬を服用することだけが治療ではありません。

体の外から刺激を加えることで更年期障害を改善する方法…

マッサージ”や“鍼灸”といった東洋医学の施術もあるのです。

ここでは婦人科などの病院以外で受けられる更年期障害の改善法について詳しくお伝えしています。

 

更年期障害の症状

更年期障害の症状は様々で、体だけでなく精神にも不調が現れるのが特徴です。

もともとの原因は閉経を迎えることによる女性ホルモン「エストロゲン」の分泌低下が

自律神経の不調を招くため…と見られていますが、

自律神経はストレスなどの精神状態によっても不調を起こしやすいため、

これらの要因が複雑に絡み合って更年期障害を発症させていると考えられています。

 
更年期障害の症状にはのぼせ・ほてり・多汗など血液循環の不調にかかわるものと、

イライラ・憂うつなどの精神的な不調にかかわるものが多く見られる傾向にあります。

これらを含め、主な更年期障害の症状は以下の通りです。

 

《主な更年期障害の症状》
種類症状
血管系の不調ほてり、のぼせ、多汗、冷え、動悸など
精神面の不調イライラ、怒りっぽい、不安感、涙もろくなる、意欲低下など
体の不調頭痛、めまい、吐き気、肩こり、疲労感、不眠、食欲不振、
腹痛、便秘・下痢、皮膚の乾燥など

 

東洋医学での捉え方

更年期障害のように複数の要素が複雑に作用するために

原因を特定しにくい心身の不調を「不定愁訴」と呼びますが、

不定愁訴の治療には、原因となる器官に直接的に作用させるという薬剤中心の西洋医学では

改善に至らないことが多いという問題点があります。

そこで注目されたのが「病」を細胞や組織の異常として捉えるのではなく、

体全体の不調として捉え、乱れたバランスを戻そうとする東洋医学の考え方です。

もともと備わっている「自然治癒力」を最大限に引き出そうというわけです。

 
そして、東洋医学が注目されたもう1つの理由は「冷えは万病のもと」という理論です。

人が健康を保つには「気」「血」が滞ることなく巡っていることが重要とする東洋医学では

これを妨げる“冷え”を解消することで健康を回復できると考えるからです。

冷えによって気血の流れが乱れると、体の機能が低下し、不調となって現れてくるとされています。

更年期障害に見られる数々の症状を思い浮かべてみましょう。

めまい・のぼせ・多汗といった「ホットフラッシュ」や

肩こり・腹痛・下痢・便秘といった多くの症状が体液の流れと関係しています。

また、症状が1つとは限らず、心身ともに全身的に複数現れるケースも多いのが特徴でしたね。

つまり、東洋医学の「気血の流れを整える」と「全体の不調と考える」という病気の捉え方は

更年期障害の改善に最適と言えるのです。

 
また、ストレスも更年期障害発症の要因になることは前述の通りですが、

ストレスは自律神経を刺激して脈拍を上昇させ、血流を促進しすぎてしまうことがあります。

人前に出るとストレスによって大量の汗をかいてしまうケースはこの作用によるところが大きいのですが、

この反動で血管の収縮が強くなり、血流が悪くなって冷えの症状が現れる人もいます。

 
このように気血の流れは停滞しても過剰になっても体に害をもたらします。

健康であるためには、あくまでも“バランスを保つ”ことが必要なわけです。

そのために、体に備わった“本来の機能”を正常な状態に近づけて

健康を回復させようというのが東洋医学的な手法です。

これには生薬を服用して治療する「漢方薬」のほか、

血液やリンパ液などの体液の滞りを解消する「マッサージ」や、

適切な「ツボ」を鍼(はり)灸(きゅう)によって刺激する方法もあります。

 

サロンでの施術

さて、このような東洋医学に基づいた施術はどこで受ければよいのでしょうか?

更年期障害の改善を目的とした施術は

エステサロンマッサージサロン鍼灸院整骨院などで受けることができます。

病院とは違って、最近ではおしゃれな内装やアロマなどを用いたサロンも増えていますね。

ちょっとした贅沢を味わえるサロンもあり、更年期障害による閉塞感から解放された時間を楽しめるのも、

こういったサロンに通うメリットといえます。

しかし、少なくとも更年期障害の改善を目的として通うのであれば、

雰囲気やサービスだけで選ばないようにすることも必要です。

 
…というのも、これらの施術を行えるのは、そこに勤務する有資格者であることが前提です。

今のところ日本における職業的な施術には、

「マッサージ」には“あん摩マッサージ指圧師免許”もしくは“医師免許”、

「鍼灸」に関しては“鍼師”・“灸師”国家資格がないと行うことができません。

しかし、「足裏マッサージ」などのように“マッサージ”の文言を使用していても

国家資格を持たない人もいるサロンもあるので注意が必要です。

同様に、「整体(カイロプラクティック)」「指圧」なども資格が必要です。

ただ、法律的に「按摩」や「マッサージ」の行為や方法が明記されていないため、

グレーゾーンになっている面もあります。

また、「マッサージ」という文言を使用すると法律に抵触してしまうため、

「手もみ屋」「ほぐし屋」などの名称を用いた店舗も多く見られます。

軽い症状や気分転換に利用するなら問題ないかもしれませんが、

辛い症状を改善したくて利用する場合は正しく店舗を選ぶことをおすすめします。

特に体に鍼を指す鍼治療は衛生面の心配もあり、

きちんと殺菌や滅菌を行っていないと感染症の危険も考えられます。注意してくださいね。

それでは、具体的な施術と効果について見ていきましょう。

マッサージ

マッサージはヨーロッパ発祥の施術ですが、

アジアにも古くからタイ古式マッサージ・按摩(あんま)などの手法が確立され、現在に至っています。

ここでは後者を中心にお伝えしますね。

 
マッサージとは、手や指を使い皮膚を摩擦したり圧を加えたりすることで、

物理的に血液やリンパなどの体液の流れを促す方法です。

これにより、体中の細胞へ必要な酸素や栄養を届け、

不要となった老廃物を運び出して“新陳代謝”を活発にすることができるため、

様々な症状を改善できるというものです。

さらに、「経絡リンパマッサージ」は

“経絡”という「気の通り道」とリンパ液の双方の流れに着目した施術で、

リンパマッサージにツボ押しの効果もプラスされます。

 
マッサージには適度な刺激によってリラックスできる効果もあります。

施術中に眠気を催した経験がある人も多いことでしょう。

このため、更年期障害の身体的症状だけでなく、

イライラや憂うつ感など精神的な症状にも効果が期待できます。

ただし、施術者が直接的に体に触れて行うため、これに抵抗がある人には向いていない施術です。

エステサロンでは女性スタッフのみという店舗が多いですが、

マッサージサロンなどでは男性スタッフが施術してくれるところもあります。

施術者を指名できるところも多いので、気になるならば女性スタッフを指名すると良いでしょう。

なお、あん摩マッサージ指圧師から施術を受ける際には、

医師の同意があれば医療保険が適用されることもあります。

鍼灸(しんきゅう)

ひと昔前は「鍼」「灸」というと年配の人が通うイメージがありましたが、

最近ではその効果が広く認められ、一流のアスリートの間でも利用する人が増えています。

世界的にみても欧米を中心に医療技術として認知されるようになり、

1996年には、WHO(世界保健機関)が「更年期障害」「生理痛」「生理不順」「不妊」「冷え性」など

女性特有の症状に効果があることを正式に発表するに至っています。

 
鍼と灸は独立した施術ですが、それぞれの効果をより高めるため、同時に行われることも少なくありません。

を用いた施術では、

1mm以下の極細のステンレス鍼でいわゆる“ツボ”と呼ばれる「経穴」を刺激し、

これによって「経絡」という“気の通り道”の流れを正常に導くことで症状を改善させると言われています。

刺激には経穴にあたる皮膚に鍼を直接刺す場合と、圧を加える方法があります。

鍼を刺す施術にも、すぐに抜く方法や、刺してから小刻みに揺らしたり上下させたりする方法もあります。

場合によっては低周波の電気を流して血行を促進する手法も用いられることがあります。

一方のは、昔は“もぐさ”という乾燥した植物を経絡にあたる皮膚に載せ、火をつけていましたが、

現在ではもぐさの代わりに“巻もぐさ”を台座に載せたものが多く利用されており、

火傷の心配はほとんどありません

灸ではツボに刺激を与えると同時に温めることもできるため、特に血行促進には高い効果が得られます。

更年期障害では多くの症状が血行不良によって引き起こされますから、改善が期待できますね。

 
こういった鍼灸治療の効果に関して、最近では科学的な解析も進んでおり、

エンドルフィンなどのリラックス作用があるホルモンの分泌が促進されることが確認されています。

マッサージと同様にリラクゼーション効果によって、

精神的な緊張を解きほぐし、自律神経のバランスを取り戻す作用もあるわけですね。

さらに、施術した部位から出る加熱蛋白体(ヒストトキシン)は、

血中に吸収されると白血球が増加して免疫機能がアップすることが確認されています。

更年期障害の症状として疲れやだるさなど体力の低下を訴える人もいますが、

こういった人は免疫力も低下しがちです。

更なる不調を招かないよう、予防的に利用する価値もありそうですね。

 
鍼灸も原則的には保険診療の適用外で、更年期障害の治療も同様ですが、

慢性的な腰痛・神経痛などには「療養費払い」というシステムで保険適用となるケースがあります。

これには治療を受けている病院の医師による同意書や、

鍼灸治療が適当であるという診断書が必要になりますので、

かかりつけ医や鍼灸院に相談してみても良いでしょう。

 

注意したいこと

マッサージや鍼灸といった施術には、薬剤を用いた時のような副作用はないと言われています。

しかし、の施術後には副作用のような「瞑眩(めんげん)」と呼ばれる好転反応が起こることがあります。

これは、悪い状態で安定していたバランスが、施術によって崩れるために現れる症状で、

  • 気持ちが悪い
  • 発赤・発疹がおこる
  • だるさや眠気を感じる
  • 下痢をする
  • 尿の色が濃くなる

などがあります。

しかし、正常なバランスを取り戻す過程でおこるものなので、一過性であり心配することはありません。

特に尿の色が濃くなるのは、

新陳代謝が促されたために体内に滞っていた老廃物が尿として排出されるためと言われています。

数回施術を受けることで老廃物が少なくなると、元に戻るそうですよ。

 
また、灸の場合には、熱によって皮膚が火傷に近い状態になり、

ヒリヒリしたり水ぶくれができたりすることがあります。

ポカポカした心地よい熱感なら良いのですが、

熱いと感じるようならすぐに施術者に伝え、取り除いてもらうようにしましょう。

また、にも「灸あたり」と呼ばれる好転反応があり、これが起こる理由は鍼の瞑眩と同じです。

一過性なので心配することはありませんが、

リラックスして受けられないのであれば効果は半減してしまいます。

自分に向いていないと感じるのであれば、無理に治療を続けるのは止めておきましょう

同様にマッサージを受けた場合にもだるさ眠気のほか、

揉み返しといった痛みが一時的に現れることがあります。

 
一方で、施術を行ってはいけない“禁忌”もあります。

マッサージの禁忌は、経絡マッサージ協会によると

  • 急性症(熱性病、伝染病、炎症、中毒)
  • 悪性腫瘍
  • 出血性疾患(吐血、喀血、脳出血直後)
  • 外傷(骨折、創傷部、脱臼直後)
  • 重症の内臓疾患(心臓弁膜症、腎炎)
  • 血管の病気(動脈瘤、高度動脈硬化症)
  • 潰瘍性疾患

などがあるそうです。

鍼灸の禁忌に関しては

WHOのガイドライン(全日本鍼灸学会雑誌50号3巻)で次の時には原則的に禁忌としています。

  • 妊婦
  • 悪性腫瘍
  • 出血性・凝血性の疾患

しかし、鍼灸治療には苦痛や不快感を和らげ、患者の生活の質を向上できる可能性があり、

上記に該当しても必要とされる場合には医師と連携し、十分な注意を払って施術することを勧告しています。

 
また、安全性の面からもアルコール摂取時には施術を受けないようにしましょう。

禁忌に該当すると、施術を受けたことで病気の悪化や危害の恐れがあったり、

効果が得られなかったりする可能性があります。

サロンに行く前にかかりつけの医師に確認し、施術者に既往症を話しておくと安心ですね。

 
マッサージや鍼灸には更年期障害の症状を緩和する効果のほか、

血行促進によってお肌の調子が良くなったり、便秘が改善したりする美容・健康効果も期待できます。

辛い症状を改善し、女性らしい美しさを取り戻すのにも効果的な方法と言えるでしょう。

薬での効果がなかなか現れないという人も試してみるといいですね。

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