更年期障害

もしかして更年期障害?主な症状と隠れた病気

「イライラする」「顔がほてる」「生理不順になった」…

40代になるとこういった症状に悩む女性が多く見られます。

もしかしたら、それは更年期障害かもしれません。

でも、身構えないでください。それは女性なら誰もが通る道です。

まずは更年期障害の正しい知識を身に付けて、隠れた病気がないか考えてみましょう。

 

更年期障害になる年齢

更年期とは閉経前5年と閉経後5年間のことを指します。

日本人の閉経年齢は50~54歳が70%を占めていますが、40歳未満でも数%いるため、

平均年齢でいうと50歳になります。

したがって、更年期とは概ね45~55歳といえるでしょう。

この期間には卵巣の機能が低下するため女性ホルモンの減少が見られますが、

それに伴って現れる症状を総称して「更年期障害」といいます。

 
…とは言っても、いつからが更年期や更年期障害になりやすい年齢なのかというと、

実は微妙な点があるのです。

つまり、閉経すればその前の5年間が更年期に該当していたのだとわかりますが、

更年期障害が始まった時点では多くの人が閉経していない状態ですから、

「40代だし、この症状は更年期障害っぽいかな」と自己判断するしかないのです。

 
ですから、さきほど述べた45~55歳あたりを目安に、

体調の変化に基づいて「もしかしたら更年期かも」という心構えをしておけば良いでしょう。

人により症状も年齢も様々ですし、ほとんど自覚症状がない女性もたくさんいます。

身構える必要はありませんが、向き合う心は必要です。

なぜなら、現代を生きる女性は

閉経後の体と約30年間、付き合っていかなければならないからです。

戦後直後の1947年では女性の平均寿命は53.96歳で、

閉経後の人生は少なく更年期に悩む必要はありませんでした。

しかし、私たちの人生は80年以上です。

更年期を過ぎれば体も安定して不調も和らぎますが、

閉経がもたらす影響はその後の人生もずっと続いていく可能性があります。

女性の人生の8分の1にあたる更年期に生じた弊害によって、

その後の人間関係をギクシャクさせたり、外出を控えたりするのは実にもったいないことです。

 
更年期は閉経を挟んだ約10年間。

この間に生じやすい更年期障害もだいたい10年間。決して終わりがないわけではありません。

まずは更年期障害を知り、正しい知識で乗り越えていくことが、

その後の人生をより豊かにする足掛かりになることでしょう。

 

原因と主な症状

更年期障害の原因は、

閉経によってホルモンバランスが崩れることで脳が混乱するために生じていると考えられています。

もう少し詳しく説明しましょう。

 
女性の体は妊娠・出産という大事業を行うために、

脳と卵巣の間で女性ホルモンのキャッチボールが行われ、コントロールされています。

その1つがエストロゲン(卵胞ホルモン)です。

エストロゲンは卵巣で作られ、子宮の発育や子宮内膜の増殖などに関わっています。

この分泌をコントロールするのが脳の視床下部にある下垂体で、

分泌の指令が出されると卵巣からエストロゲンが放出されるという体のしくみになっています。

 
しかし、45歳前後になると卵巣の機能が低下し始めるため、

下垂体から分泌の指令があってもエストロゲンが出にくくなってきます。

分泌の指示を出しているのにエストロゲンの分泌量が低いままなので、

下垂体はさらに分泌を促しますが、エストロゲンの量は増えないという状態が続きます。

こうなると下垂体のある視床下部は混乱してしまいます。

ところが、視床下部は体のいろいろな機能を調整する「自律神経」を

コントロールする役目も担っています。

このため、「指示を出しているのにエストロゲンの分泌が行われない」という

“キャッチボールの失敗”が視床下部に混乱をきたし、

それが自律神経にも影響してしまうと考えられているのです。

そして、自律神経が支配する体の様々な調節機能に不具合がおき、

更年期障害の症状として現れるとされています。

 
更年期障害の症状は多くありますが、代表的な例は次の通りです

【更年期障害の症状例】

  • 生理不順
  • ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり、発汗)
  • 頭痛
  • イライラ・憂うつ
  • めまい
  • その他(冷え、肩こり、下腹部痛、物忘れ、など)

では、それぞれ見ていきましょう。

生理不順

更年期の徴候として多いのが、卵巣の機能低下による「月経異常(生理不順)」です。

月経異常とは、今まで25~38日で起きていた月経周期が、

これよりも短くなる(=頻発月経)、あるいは長くなる(=稀発月経)といった変化のことです。

同時に月経の量や期間も変化し、多くなったり少なくなったり、

3日間で終わったり10日間続いたりと不規則になります。

一般的にはこういった状態を経て「1年以上月経のない状態」になると閉経と言いますが、

産科婦人科用語解説集によれば

「女性が性成熟期の終わりに達し、更年期になって卵巣 の活動性がしだいに消失し、

ついに月経が永久に停止すること」

を閉経と定義しています。

つまり、「月経が永久に停止」するまで、

更年期には若いときとは違った意味での“生理不順”が起きるわけです。

40代以降、このような月経異常が続くようになったら

「更年期の入り口かな」と考えて良いでしょう。

また、月経異常が見られ始める年代に、のぼせ、めまい、多汗、イライラといった

自分ではコントロールできない症状が現れる人もいます。

ホットフラッシュ

「ホットフラッシュ」は更年期障害を代表する症状です。

具体的には「のぼせ」や「ほてり」と、これらに伴う「発汗」などが見られ、

これらを総称してホットフラッシュと呼んでいます。

いずれもエストロゲンの減少による視床下部の混乱によって自律神経のバランスが崩れ、

血管の拡張や収縮がうまくコントロールできなくなることで起こるとされています。

このため時間帯や気温などと関係なく症状が起こるので、本人も予防することができずに悩み、

症状が酷い人では外出の妨げになることもあるほどです。

また、緊張ストレスがきっかけで症状が現れることもあります。

それぞれ詳しく見てみましょう。

のぼせ・ほてり

のぼせ」は頭に血が上ったようになる状態、

ほてり」は顔や体が急激に熱くなって紅潮する状態を指します。

入浴などで体温が上がったときに現れる「のぼせ」や「ほてり」は体温が正常になれば解消されますが、

ホットフラッシュの場合は外気温や体温の上昇に全く関係なく起こります。

人によっては上半身は暑いのに下半身は冷えているといった

「のぼせ」と「冷え」が同時に起こる「冷えのぼせ」が見られることもあります。

発汗

のぼせ・ほてりの症状と同様に、気温とは無関係に汗をかく現象です。

汗の出方は“じわじわ”と滲むようだったり、

“ドーッ”と溢れ出るようだったりと人によって様々です。

汗をかく部位としては顔などの頭部、脇、首など上半身が多く、

目立つために「外出中に困った」「恥ずかしい」などといった弊害の多い症状でもあります。

また、就寝中に発症すると大量の汗で体が冷えて目覚めてしまうなど

睡眠を妨げることにもなり、それが頭痛やイライラ、倦怠感などに影響することもあります。

頭痛

エストロゲンの減少によってホルモンバランスが乱れ、

これによって自律神経が支配する血液循環にも影響が現れます。

特に、脳への血液供給が不安定になることが「頭痛」を生じさせる原因になると考えられています。

このような更年期障害による頭痛の場合、検査しても異常が見られないため、

診断としては「緊張型頭痛」または「片頭痛」となることが多いでしょう。

症状や原因が異なるので、下記に特徴を上げておきますね。

緊張型頭痛

ストレスや肩こり・目の疲れなどで血流が悪くなることにより発症します。

後頭部や頭の周囲をぐるっと締め付けられるように痛む傾向があります。

片頭痛

女性に多く見られるため、女性ホルモンの影響が指摘されていますが、詳しいことはわかっていません。

ストレスなど何らかの要因で頭蓋骨内の血管が広がり炎症を起こすために

「頭痛」を生じると考えられています。

頭の片側がズキズキと響くように痛むのが特徴で、人によっては音や光に過敏になることもあります。

イライラ・憂うつ

更年期障害には体だけでなく精神的な不調もあり、

その代表例が「イライラ」や「憂うつ感」などの気分の変化です。

個人差はありますが、

性格が変わってしまったような印象を受けるほどの変化があることも珍しくありません。

これは人の精神や感情に“神経伝達物質”が深く関わっているためで、

例えば「ノルアドレナリン」や「セロトニン」などがあります。

ノルアドレナリン」はストレスを受けた時に放出され、興奮させたり血圧を上昇させたりするのに対し、

セロトニン」は精神を安定させる方向に働きます。

そして、エストロゲンにはセロトニンの分泌を促す作用があります。

ところが更年期になってエストロゲンの分泌量が低下すると、セロトニンの量も減り、

ノルアドレナリンが優勢になると興奮状態になりやすくなります。

また、セロトニンは別名“幸せホルモン”と呼ばれ、安心感や幸福感を私たちにもたらしてくれます。

そのため、セロトニンの量が減ることで精神の安定性を失い、

「憂うつ感」や「無気力感」を訴える人も更年期の女性には多いのです。

めまい

「頭痛」の項で触れたように、ホルモンバランスが乱れると自律神経を混乱させ、

血液循環や血圧のコントロールを不安定にしていきます。

さらに、平衡を司る内耳などの感覚器官も加齢とともに機能が低下してくるため、

更年期には「めまい」「ふらつき」などの症状が起こりやすくなります。

更年期障害のめまいの多くは、

体がふわふわして地に足がついていないように感じる「浮動性めまい」ですが、

中には、天井がぐるぐる回るような「回転性めまい」を起こし、吐き気を感じる人もいます。

また、めまいの症状が軽い人の中には、

静かな時にキーンといった音が聞こえる「耳鳴り」を感じる人も見られます。

その他

更年期障害の症状には、他にも冷え、肩こり、下腹部痛、物忘れ、など多くあります。

現れる症状もその強さも個人差が大きく、

「この症状があれば更年期障害」と断定することはできませんが、

生理不順など閉経の兆候が見られれば、更年期障害である可能性は高くなります。

ただし、自己判断は厳禁です。

たまたま閉経のタイミングに起こっただけの“他の病気”かもしれません。

次項も併せてご覧くださいね。

 

病気が隠れている可能性

更年期障害が疑われる症状があっても、病院に行く人は少ないのが現状です。

つまり、多くの人が“自己判断”で「この症状は更年期障害だ」とみなして

生活を続けているわけです。

しかし、更年期障害に見られる症状の中には、全く別の原因が隠れていることもあります。

症状が重い・長く続く・別の症状も見られる…などの場合は医療機関を受診しましょう。

更年期障害でよく見られる症状ごとに、

隠れている可能性が考えられる疾患の例をまとめておきますね。

 

《更年期障害と似た症状がある病気の例》
症状考えられる病気
生理不順・不正出血
子宮がん・卵巣がん・子宮筋腫などの子宮や卵巣の病気、
甲状腺・下垂体の病気による月経異常など
のぼせ・ほてり
高血圧や心臓疾患など
多汗甲状腺の異常など
頭痛くも膜下出血・脳出血などの脳の異常、
血圧の異常など
イライラ・憂うつ女性ホルモンの低下以外の原因による自律神経失調症など
めまい動脈硬化、高血圧、メニエール病、突発性難聴など

 

更年期障害の検査と治療

更年期障害の程度は個人差が激しいものです。

本人が辛かったり生活に支障をきたしたりするようなら、医師に相談することをおすすめします。

また、前項のように重篤な病気が隠れている可能性もあるので、

診察を受けておくと安心して更年期と向き合うこともできますね。

まずはかかりつけの医師に相談するか、婦人科を受診してみましょう。

最近では少し大きな病院に行くと「更年期外来」という専門の科を設置している所も増えています。

その後は更年期障害の症状によって内科、整形外科、耳鼻科など受診する科が異なることもあります。

 
では、どのような検査を受けるのでしょうか?

更年期障害はエストロゲンの減少が引き金になって発症するので、初めにその確認を行います。

方法は問診血液検査超音波検査などです。

まず、問診で詳しい症状や最終月経、既往歴、

ストレスのある環境かどうか、生活習慣などについて聞かれます。

これに基づいて、必要であれば血液検査によって

女性ホルモン(エストロゲン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)の血中濃度を測定したリ、

卵巣や子宮の状態を確認するための超音波検査を行ったりします。

閉経後の女性に多い「骨粗しょう症」の予防のために骨密度を測定したりすることもあります。

 
しかし、前項のように更年期障害と同じような症状であっても、

これらの検査で更年期の特徴が見られなければ全く別の病気かもしれません。

場合によっては、内診細胞診(ガン細胞の有無の確認)が行われたり、

専門の科で精密検査を受けることもあります。

 
検査の結果、更年期障害と診断され、

治療が望ましいという場合は「ホルモン補充療法(HRT)」を行うケースが多いです。

これは注射や貼るタイプのパッチ剤飲み薬のいずれかの方法でエストロゲンの補充をするものです。

ただし、エストロゲンだけ補っていると子宮体ガンなどのリスクが高まると言われているため、

併せてプロゲステロン(女性ホルモンの一種)も投与されます。

 
ホルモン補充療法に不安がある場合は、漢方薬で改善を試みる方法もあります。

また、自律神経を整えたり精神を安定させたりする薬の投与や、

カウンセリングを中心に症状の改善を図る場合もあります。

 
もちろん、更年期障害と診断されたからと言って、治療を開始しなければならないわけではありません。

自分自身が我慢できないほどの辛さを感じておらず、生活に問題がなければ、

医師にその旨を伝えましょう。

サプリメントを利用したり、生活を改善することで緩和できる症状もあります。

でも、無理は禁物です。

我慢しすぎず、辛くなったら病院に行ってみるのも有効な選択肢ですよ。

関連記事

  1. 更年期障害

    更年期障害と頭痛の深い関係

    頭痛には頻繁に起こりやすい人と、比較的症状が起きにくい人がいま…

  2. 更年期障害

    もう「イライラ」しない!更年期障害との付き合い方

    自分で感情のコントロールができないのは、本当に辛いことです。…

  3. 更年期障害

    更年期障害の予防や改善に効果的な食事とは?

    数年間…あるいはもっと長く付き合っていかなければならない“更年…

  4. 更年期障害

    「めまい」は更年期障害?その対処法や改善策について

    突然襲ってくる「めまい」への不安。時間や場所など予期す…

  5. 更年期障害

    更年期との上手な付き合い方

    40歳前後になると現れてくる様々な不調に、人知れず悩む女性も少…

  6. 更年期障害

    生理が遅い!止まらない!更年期障害と月経(生理)について

    今まで規則的だった生理周期がずれてきた…。それが40代…

更年期障害に関する記事

最近の記事

  1. 老眼

    こんなときに”見えない”なら、老眼の可能性あり!
  2. 老眼

    目のかすみ、ぼやけるのは病気?視力低下の違い
  3. 更年期障害

    「冷え」が更年期障害を悪化?その理由と改善方法
  4. 更年期障害

    「めまい」は更年期障害?その対処法や改善策について
  5. 高血圧・動脈硬化

    高血圧を改善する「お酢」の作用と効果的な摂り方
PAGE TOP