更年期障害

生理が遅い!止まらない!更年期障害と月経(生理)について

今まで規則的だった生理周期がずれてきた…。

それが40代に入ってからのことなら、更年期に差し掛かったのかもしれません。

ここでは生理不順や更年期による乱れとの違い、更年期障害や閉経について解説しています。

 

月経(生理)とは?

女性の体や生命誕生のメカニズムはとても複雑です。

学生時代の保健体育で習った気はするけど、よくわからないという人も多いことでしょう。

出産を経験した女性でさえ、きちんと生理のしくみについて説明するのは難しいかもしれませんね。

ここで簡単に復習したいと思います。

月経のメカニズム

女性の体には生まれた時から卵子が備わっていて、それ以上に増えることはありません。

この卵子は卵胞という袋に守られていますが、

未成熟の「原始卵胞」という状態で存在しています。

女の子は原始卵胞を約200万個も卵巣の中に持って誕生するのです。

でも、これを成人するまで持ち続けるわけではなく、

誕生から初潮(初経)を迎える思春期までに8~9割が自然に消滅し、

月経が始まる頃には約20~30万個になっています。

その後も月経周期1回につき約1000個が減少していくと言われています。

 
では月経やその周期とはどういうものでしょうか?

脳の視床下部から卵胞刺激ホルモンが出されると、卵巣にある卵胞のうち約20個が成熟しはじめ、

やがて1個の卵胞に絞られていき、これが卵巣から放出されて排卵が起こります。

このとき、精子と受精でき、受精卵を守るふかふかの「子宮内膜」に着床できると妊娠が成立します。

でも、着床や受精できなかった場合、子宮内膜は不要です。

そうなると、子宮内膜の一部が剥がれ落ち、出血とともに膣を通り体外へ出てきます。

これが「月経(生理)」です。

ですから「生理がある」=「受精(妊娠)していない」となるわけです。

この卵胞が成熟し卵子が飛び出す「排卵」、「妊娠に備える準備期間」、

妊娠不成立時の「子宮内膜の脱落」、次の「卵胞成熟」への準備…といったサイクルを月経周期と呼んでいて、

医学的には次のように定義しています。

 

《月経周期》
卵胞期原始卵胞が成長し排卵するまでの6~7日間ほど。
成熟した卵胞は女性ホルモン「エストロゲン」を分泌し、受精卵が着床できるように子宮内膜が厚くなっていきます。
排卵期成熟した卵胞から卵子が飛び出す前後数日間。
エストロゲンの分泌がピークになることで、黄体形成ホルモンが急増し排卵を促します。通常、排卵されるのは1個です。
黄体期個人差が少なくおよそ14日間。
子宮を含め全身で妊娠の準備を進める時期で、子宮内膜は分厚く柔らかくなり、受精卵の着床に備えます。
月経期いわゆる生理の期間で、2~7日間。妊娠が成立しなかった場合に起こり、子宮内膜が剥がれて出血しながら膣から排出されます。

日本人の標準とは

日本人の場合、月経周期は25日から38日の間が正常範囲とされています。

月経の期間…すなわち出血が始まり止まるまでの期間は4日から7日が一般的と言われています。

このときの出血量(月経血量)は期間の総量で50~150cc程度とされていますが、

期間も量も個人差が大きいので目安だと思ってください。

特に量に関しては計ることが難しく、

使用するナプキンによっても吸収量や見える範囲の量に違いがあるので、

同一人物でも多い・少ないを判断するのは簡単ではありません。

いつも同じ種類のナプキンを使っていれば、その交換回数の増減や見た目での推測がある程度可能なので、

生理不順になりやすい人や更年期が近づいた人は

ナプキンの種類をある程度固定しておくのも体調を判断する手段にできますよ。

 

月経不順(生理不順)ってどの程度?

では、「月経不順」とはどのような状態を指すのでしょうか?

月経の周期は「前の月経が始まった日から次の月経が始まる前日までの日数」で表します。

前述のように個人差はありますが、

だいたい25~38日の間で規則的に月経が訪れなければ“不順”と言うことになります。

月経周期が短くても長くても問題になることもありますが、

例えば23日間で周期的に月経が訪れ、他に問題がなければ順調とも言えるのです。

つまり「規則的かどうか」というのが重要で、例えば月経が毎回25~38日の間で起こっても、

前々回は38日間、前回は25日間、今回は33日間…というように毎回周期が不規則で、

予測が不可能な場合は月経不順です。

ただし、25~38日間以外で周期的に月経になる場合や、出血期間や量に異常がある場合には、

ただ周期が異なるだけで問題がないケースと、無排卵や婦人科系の病気などが隠れているケースがあります。

月経不順は次のように分類されていますので、参考にしてくださいね。

 

《月経不順の分類》
分類期間や経血量の特徴備考(原因や注意事項)
稀発月経39日以上の間隔がある長い周期のもの卵巣の機能低下、ストレスやダイエットなどの影響。無排卵の可能性あり。
頻発月経24日以下の短い周期のもの卵巣の機能低下、ストレスによるホルモン分泌の乱れなど。妊娠しにくい可能性あり。
過長月経8日以上続く月経ホルモンバランスの乱れや子宮の病気など
過多月経経血量が異常に多い月経ホルモンバランスの乱れや子宮の病気など
過短月経
2日以内で終わってしまう月経子宮の発育異常や病気、ホルモンの異常など
過少月経経血量が極端に少ない月経子宮の発育異常や病気、ホルモンの異常など

 

生理不順と更年期障害

月経は脳の視床下部、卵巣などから放出されるホルモンによってコントロールされています。

ですから、ちょっとした精神的・肉体的ストレスでも月経の周期は乱れてしまうものです。

ところが、40代にさしかかると、前項であげたような月経不順に該当していなかった人でも、

月経周期が変化して短くなったり、長くなったりしはじめます。

これは更年期に入ったサインです。

女性の一生は「小児期」「思春期」「性成熟期」「更年期」「老年期」の5つに分けることができます。

「更年期」というと小難しい感じがしますが、

簡単に表現するなら“妊娠可能な状態から不可能な状態へ移り変わる時期”です。

妊娠不可能、つまり卵巣の機能低下による“閉経”の時期を挟んだ前後5年間ずつ(合計10年)を

「更年期」と呼んでいるわけです。

月経がなくなるということは、それをコントロールしていたホルモンの量が変わるということですから、

月経がある状態に順応していた体には相応の負担が生じます。

更年期はそれに慣れる期間でもあるわけです。

 
更年期のサインとしてわかりやすいのは先にも述べた「月経周期の変化」ですが、

これに関わるホルモン量の変化は体のいたるところに影響を与えています。

…というのも、月経をコントロールしていた視床下部は、

卵巣が指示に従ってくれなくなるので混乱を起こしてしまい、

同じく支配している血圧体温調節の機能に影響を及ぼしてしまうのです。

これが更年期の症状として体に現れてきます。

例えば、前よりも冷え性になった、をかきやすくなった、血圧が高くなってきた、などです。

中には、これらの症状がもっと顕著に現れ、めまい・頭痛・多汗・イライラなどが

生活に支障をきたすほど重症になってしまうことがあります。

このようなケースを「更年期障害」と呼びます。

多くの人は月経不順と前後して何らかの更年期症状を自覚しますが、

必ずしも先に月経不順が起こるとは限りませんし、更年期の自覚症状が出るとも限りません。

この辺はとても個人差が激しいのです。

一説には卵巣内の卵胞から出る「エストロゲン」の量が急激に減少する人ほど、

更年期の症状が酷くなり、重い更年期障害を引き起こすとされています。

体がついていけなくなっているわけですね。

ですが、女性である以上、閉経は必ず起こりますし、自覚がなくても更年期は訪れるものです。

更年期障害はほとんどの場合、閉経前後の10年をかけて体が低ホルモン量に慣れると治まってきます。

この期間、柔軟に対応し、自分の体が移り変わるのを待ちましょう。

必要ならば医療機関の助けを借りるのも方法です。

 
なお、月経不順の人は、更年期に入って月経周期が乱れてきても気づきにくい傾向にあります。

前述の症状がないか、体調に気をつけてみると良いでしょう。

一方で、比較的若い年齢であるにも関わらず、更年期障害と似たような症状に悩む女性もいます。

こういった症状は「プレ更年期」と呼ばれ、30代後半から始まるため、

一般的な更年期である10年間よりも症状が長く続く傾向にあります。

また、PMS(月経前症候群)と症状が似ているため、判断がつかない場合もあります。

月経不順や症状が更年期(プレ更年期)によるものなのか、ストレスやPMSによるものなのかは、

エストロゲンの量などを調べるとわかります。

婦人科に相談してみると良いでしょう。

 

閉経について

月経不順はストレスや病的な原因で起こる場合もありますが、

閉経へと向かう1つのステップである場合もあります。

閉経は更年期の中核となる体の変化です。

卵巣の機能が低下して月経が永続的に停止する状態で、通常は1年間連続して月経がない場合を指します。

日本女性の閉経の平均年齢は50歳です。

閉経前には月経の間隔や経血量・期間に変化が起こり始めますが、

このような月経不順の期間は人により長短さまざまで、一概には言えません。

しかし、中には婦人科系の病気が潜んでいて、

閉経に伴う月経不順とは全く別の原因であることも考えられます。

月経以外の体調変化にも注意して、気になることがあれば迷わず医療機関を受診しましょう。

気をつけたいこと

単なる月経不順だとしても更年期によるものだとしても、

月経に関わるホルモンの量が変化していることに違いはありません。

これらの女性ホルモンは、月経だけでなく体の様々な調節も行っていますので、

その量に問題があるということは、月経以外にも影響が出る可能性があります。

 
例えば、骨密度です。

エストロゲンの分泌が不十分だと、

体内にカルシウムを蓄える機能が低下してしまい、骨がもろくなってしまいます。

このため、エストロゲンの分泌が少ない人(月経不順の人)や更年期の人は要注意です。

カルシウムの摂取を心掛け、定期的に骨密度を測定して、骨粗しょう症予防をしておきましょう。

他にも、女性ホルモンの低下によって血圧が上昇したり、

血中コレステロール値が高くなったりする傾向があります。

 
また、月経不順で周期が短いと、頻繁に起こる月経による出血のために貧血になることがあります。

さらに、月経不順や不正出血の原因が更年期だけでなく、

子宮筋腫・多嚢胞性卵巣症候群・甲状腺機能異常といった病気の可能性もあります。

不安があれば自己判断せずに、医師に相談してみましょう。

関連記事

  1. 更年期障害

    更年期障害に漢方薬は効果ある?

    最近では身近になった「漢方薬」。特に「月経不順」や「更…

  2. 更年期障害

    更年期障害と頭痛の深い関係

    頭痛には頻繁に起こりやすい人と、比較的症状が起きにくい人がいま…

  3. 更年期障害

    「めまい」は更年期障害?その対処法や改善策について

    突然襲ってくる「めまい」への不安。時間や場所など予期す…

  4. 更年期障害

    更年期障害をマッサージで改善!

    最近では更年期障害を積極的に改善しようとする女性が増えてきました。…

  5. 更年期障害

    更年期障害と腹痛 考えられる原因とは?

    女性なら月経に伴う腹痛を感じたことがある人も多いと思います。…

  6. 更年期障害

    もしかして更年期障害?主な症状と隠れた病気

    「イライラする」「顔がほてる」「生理不順になった」…4…

更年期障害に関する記事

最近の記事

  1. 老眼

    老眼の治療最前線~手術を受けるとしたら~
  2. 高血圧・動脈硬化

    閉経すると高血圧になりやすい?高血圧と更年期の関係
  3. 更年期障害

    「汗」と更年期障害 その原因と対処法について
  4. 更年期障害

    生理が遅い!止まらない!更年期障害と月経(生理)について
  5. 更年期障害

    更年期障害と頭痛の深い関係
PAGE TOP