更年期障害

閉経はいつ?どんなふうに?閉経と更年期障害の症状

女性の一生の大きな通過点である“閉経”。

でも、そこに至るまでに体は想像以上の変化を余儀なくされています。

この変化が起こす辛い症状が“更年期障害”です。

ここでは、閉経のプロセス更年期障害の関係や症状妊娠との判別などについて、

わかりやすく解説しています。

 

閉経はいつ?なぜ?

女性は200万個の卵胞(卵子が入った袋)を持って生まれてきます。

この卵胞は誕生と共にどんどん減少し、

思春期を迎えるころには10分の1から40分の1程度にまで自然に失われていきます。

初潮(初経)を迎えたあとは月経(生理)が訪れるたびに排卵などで減少していき、

40代半ばには5000個ほどにまで減っているのです。

その後も自然消滅不規則な排卵を経て、卵胞の数は50歳前後でほぼゼロになります。

これが「閉経」です。

生まれた時に持っていた卵胞が全てなくなったことを意味するんですね。

 
しかし、自分では卵胞があるかどうか確認することはできません。

そこで「閉経」の指標として用いられているのが「月経」です。

WHO(世界保健機関)によると「卵巣における卵胞の消失による永久的な月経の停止」、

産科婦人科用語解説集(日本)によると「女性が性成熟期の終わりに達し、

更年期になって卵巣の活動性がしだいに消失し、ついに月経が永久に停止すること」

を閉経と定義しています。

ただし、“永久に停止”となると果てしなく月経が停止したかを確認し続けなくてはならず、

エンドレスですよね。

そこで、一般的には「1年以上月経のない状態」を閉経とし、

1年前の最終月経の年齢をもって閉経年齢としています。

 
日本人の平均閉経年齢は約50歳で、

閉経前と後の5年間ずつを「更年期」と呼んでいます。

後述しますが、この頃からホルモンバランスの乱れによる体調の変化が見られ、

辛い更年期障害に悩む人も少なくありません。

また、卵巣の機能低下は35歳ころから始まると言われており、

人によっては30代から「プレ更年期」と呼ばれる更年期障害と似た症状が現れるケースもあります。

 

閉経前後の症状

日本産科婦人科学会の調査(1995)では閉経の平均年齢は約50歳ですが、

最も多い年齢は50~54歳で70%を占め、また約10%の人が45歳で閉経したとされています。

しかし、日本女性医学学会による研究(2012年)では平均閉経年齢が52歳となり、

閉経の高齢化が窺えます。

その一方で、30代で閉経という「早期閉経」を起こす女性もいます。

早発閉経の定義も確立していませんが、

多くの学会で「卵胞が消滅し、自然閉経が40歳未満までに起こること」とされています。

30代女性の1%ほどが早期閉経といわれており、こちらも増加傾向にあるというデータがあります。

 
このように、閉経へのプロセスは非常に個人差が激しいものです。

一概には言えませんが、だいたい40代に入った頃から次のような経過を辿ることが多いようです。

  1. 月経周期が短くなる。
  2. 経血量が少なくなり、月経が早く終わるようになる。
  3. 月経周期が長くなり、間隔が空き始める。
  4. 閉経を迎える。

中には「先月まで月経があったのに突然終わってしまった」という人も

1割程度いると言われていますから、本当に個人差がありますね。

 

閉経の確認方法

閉経したとわかるのは、月経が来なくなって1年経過した時です。

月経が数か月なくても、来月は来るかもしれませんから、1年経つまでは何とも言えないわけです。

でも、それでは非常に曖昧ですし、何よりも後述するような体の不調がある場合、

それが閉経による更年期障害なのか別の原因によるものなのか、判断できなくて困る時もありますね。

そのような場合は次にあげた方法によって閉経したかどうかを調べることができます。

基礎体温を測る

自分でできる方法が「基礎体温の変化を調べること」です。

基礎体温とは朝、目覚めた直後の体温のことです。

起き上がって体を動かしてしまうと測れないので、

体温計を枕元に置いておき、目が覚めたらすぐに測るようにしましょう。

 
通常は月経中とその直後は体温が低くなる低温期になり、排卵後は体温が上がる高温期になります。

月経が順調な人は低温期と高温期がきれいに現れるグラフが描けるわけです。

でも、閉経が近づく…つまり排卵が行われなくなってくると、月経はあっても高温期が現れなくなります

最近では基礎体温や生理日管理ができる無料アプリも多くありますので、利用してみるのも良いでしょう。

ただし、毎日のことなので少々面倒に感じる人は、次に紹介する病院での検査を受ける方法もあります。

「卵胞刺激ホルモン(FSH)」を調べる

FSHとは卵巣内の未成熟な卵子を刺激して、成熟を促すホルモンのことです。

具体的には月経3日目に血液検査を受け、血中濃度を調べてもらいます。

数値は検査方法により差がありますが、

基準値よりも大幅に増加している場合は「閉経」が近づいていると診断されます。

より精度の高い判定を求めるなら、他の女性ホルモンの濃度も測ってもらうと良いでしょう。

「アンチミューラリアンホルモン(AMH)」を調べる

抗ミュラー管ホルモンとも呼ばれ、発育過程の卵胞から分泌されるホルモンです。

これを血液検査によって測定し、卵巣内にある卵胞数を推測する方法です。

AMHには基準値が存在しないため、統計的な年齢での平均値と比較して判断します。

この年齢平均値よりもAMHが低くなっていれば卵子の数が減っていることを意味するので、

閉経が近づいていると推測できます。

この検査のメリットは、FSHと違っていつでも測定できるという点にあります。

判定の精度を高めるにはFSHと同様、他の女性ホルモンの検査も受けておきましょう。

 

閉経と更年期障害

突然の場合は兆候を掴めませんが、月経不順を繰り返しながら閉経する場合、

それと前後して体調にも変化が現れることがあります。

更年期にあたる時期に現れるので「更年期症状」といいますが、

必ずしもすべての女性に不調が現れるわけではなく、これにも個人差があります。

このうち、症状が重く日常生活に支障をきたすものを「更年期障害」と呼んでいて、

更年期の女性の2~3割くらいが悩んでいると言われています。

更年期障害が起こる理由

前述のように、思春期を迎え体が成熟すると、

卵巣は定期的に排卵し、妊娠が成立しないと月経が起こります。

これをコントロールしているのが、脳の視床下部脳下垂体卵巣から放出される女性ホルモンです。

ちょっと複雑なシステムですが、詳しく見てみましょう。

 
視床下部から脳下垂体を刺激するホルモンが出され、

これを受け取ると脳下垂体からは「卵胞刺激ホルモン」が分泌され、卵巣にある卵胞の成熟を促します。

すると卵巣が反応して1つの卵胞が成熟しはじめ、「エストロゲン」を放出します。

エストロゲンの分泌が一定量に達すると、

今度はこれが刺激となって視床下部から黄体形成ホルモンが分泌され、これを受けて排卵が起こります。

排卵後の卵胞は「黄体」という組織に変化し、

少量のエストロゲンと大量のプロゲステロンを分泌し始めます。

これらのホルモンによって子宮内膜が分厚くふかふかになり、

受精卵が着床(妊娠)するのを待つのです。

しかし、妊娠が成立しないと、この2つのホルモンの量が激減します。

すると子宮の壁から子宮内膜が剥がれ落ち、月経として体外に排出されるのです。

 
このように「視床下部」「脳下垂体」「卵巣」の3者が特定のホルモン濃度を感知し、

お互いを調節しあうことで月経をコントロールしています。

ところが、35歳頃になると、まず卵巣の機能が低下を始めます。

卵巣の機能低下が起こると、脳下垂体が卵胞刺激ホルモンによって卵胞の成熟を促しても、

これに反応できなくなってきます。

すると、通常なら放出されるエストロゲンが、いくら待っても増加してこないので、

脳下垂体やそれを支配する視床下部は混乱し始めます。

視床下部は卵巣だけでなく、血圧や体温など様々な調節をする自律神経を支配する部位でもあります。

そのため、卵巣の機能低下による混乱によって、他の調節機能も上手く働かなくなってしまうのです。

これが更年期症状の原因とされ、

卵巣からのエストロゲンが分泌されない状態に脳が慣れてくるまで不調が起こりやすいと言われています。

そして、体がうまく順応できないと、重篤な「更年期障害」として現れてしまうというわけです。

更年期の症状

更年期の症状は人それぞれ。

日常生活に困難を感じる人もいれば、自覚症状がなく終わる人もいます。

この差には、

  • エストロゲン減少のスピード
  • 環境要因(疲労、ストレスなど)
  • 気質(心配性、気が短いなどの性格など)

の要因が複雑に絡み合って起こるといわれています。

さらに、現代の更年期の女性は育児、進学・就職、介護、夫や自分の健康、

これらにまつわる金銭問題や肉体的・精神的ストレスなど、多くの悩みに直面する世代と重なります

こういった要素が更年期障害を悪化させる原因とも考えられていますので、

自分なりのリラックス法ストレス解消法などを見つけ、

少しでも快適に過ごせるようにしましょう。

更年期に起こりやすい不調をまとめておきますので、

月経不順と併せてこれらの症状が現れたら、自分の体とゆっくり向き合ってみましょう。

症状が辛かったら医療機関を受診したリ、市販薬サプリメントなどを利用してみるのもいいですね。

 

《更年期に起こりやすい不調》
種類症状
血管系の不調ほてり、のぼせ、多汗、冷え、動悸など
精神面の不調イライラ、怒りっぽい、不安感、涙もろくなる、意欲低下など
体の不調頭痛、めまい、吐き気、肩こり、疲労感、不眠、食欲不振、
腹痛、便秘・下痢、皮膚の乾燥など

 

気をつけたいこと

閉経によって女性ホルモンが分泌されなくなると、更年期症状以外にも体に影響が現れます。

これは、女性ホルモンが生殖に関わるだけでなく、他にも体の調節に関与しているからです。

例えば、カルシウムの吸収が悪くなって骨密度が低下し「骨粗しょう症」を発症しやすくなったり、

コレステロールが過剰気味になって「動脈硬化」を起こしやすくなったりします。

特に、早期閉経が起こると女性ホルモンの恩恵を受ける期間が短くなってしまうため、

これらの疾患には注意が必要です。

場合によってはホルモン補充療法などを受けて、予防することが必要な場合もあります。

一方で、閉経が遅れると更年期障害に悩むこともなく、良いことのように思えますね。

しかし、問題点もあります。

58歳以上になっても月経がある場合は「遅発月経」とされ、

乳ガン子宮体ガンのリスクが高まるといわれています。

このような場合は婦人科検診などをこまめに受けたり、

異常を感じたら医師に相談するようにしましょう。

  
また、更年期に現れる月経不順の中には病気が隠れていることもあります。

気になることがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。

 

閉経?それとも妊娠?

月経が遅れるとまず気になるのが「妊娠」ですね。

更年期に入ったことによる月経不順なだけなのか、それとも妊娠なのかは判断が難しいところです。

実際には更年期を迎える45歳ごろの女性では、

月経が順調であっても無排卵であることの方が多いと言われています。

また、仮に排卵が起こっても、卵子自体が老化していたり、

着床に備える子宮の準備が不十分になっていたりして、

妊娠に至る確率は低く、流産の確率は高いとされています。

ただし、毎回ではなくても排卵が起こることはありますし、

全く妊娠ができない状態というわけでもありません。

また、閉経したと思っていても最終月経から1年以上経過するまでは閉経と確認できません。

妊娠を望まない場合はきちんと避妊しておく方が良いでしょう。

 
自分でできる妊娠か月経不順かの確認法は2つあります。

1つは市販の妊娠検査薬を用いること。

妊娠検査薬は妊娠時に尿中に分泌されるホルモン(hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の量を

測定するものが一般的です。

しかし、閉経後の女性にはhCGに似た物資が分泌されているため、

妊娠していなくてもこれと検査薬が反応して陽性判定が出ることがあるので要注意です。

 
もう1つは基礎体温をつけておくこと。

これによって低温期と高温期の二層に分かれれば排卵が起こっていることも確認できますし、

妊娠すれば2週間程度高温期が続くので、判別することができます。

 
いずれにせよ、妊娠の確定診断には産婦人科を受診することが必要です。

これらの兆候が見られたら、早急に受診しましょう。

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