更年期障害

髪が薄くなるのは更年期障害の症状?理由と改善について

「髪は女の命」と言いますが、ヘアスタイルを気にする女性が多いのは事実ですね。

でも、その髪が加齢とともに衰えていくのは避けられないこと。

特に40代半ばを過ぎる“更年期”には、薄毛に悩む人が増えてきます。

ここでは更年期障害による薄毛の原因と、その改善方法を詳しくお伝えします。

 

髪の一生(ヘアサイクル)

髪は頭皮の中で作られています。

この中の「毛根」の先端部にある「毛球」で作られ、

成長した部分が伸びてきて「毛幹」と呼ばれる、いわゆる“髪の毛”になります。

花王㈱によると、髪は1日に0.3~0.5ミリ、1カ月で約1.2センチ、1年では約15センチ伸びるそうです。

しかし、ずっと伸び続けているわけではなく、

髪が伸びる「成長期」、成長が止まる「退行期」、毛根の位置が浅くなって「休止期」があり、

やがて新しい髪に生え変わるために抜け落ちていきます。

これを「ヘアサイクル」といい、平均4~6年とされていますが、

そのほとんどが成長期にあたり、退行期は2~3週間、休止期は数か月程度です。

ヘアサイクルは髪の毛ごとに少しずつずれているので、

何らかの原因がない限り一度に大量の髪が抜けることはありません。

通常、1日に50~100本くらいは抜けるそうなので、成長した髪が抜け落ちる分には全く問題ありません。

しかし、成長途中の短い髪が抜けたり、その髪が細かったりしたら、

それは薄毛になるサインかもしれません。

 

更年期障害と薄毛

髪が抜けやすくなるのには男女ともに加齢の影響が考えられます。

これは髪を作る細胞自体が老化して髪の成長速度が低下してしまうことや、

髪の毛を作る細胞を保護する物質が減少するために

フケのように細胞が脱落してしまうことなどが原因と言われています。

また、解明されてはいませんが、遺伝的な要因もあると考えられています。

さらに女性には、髪にも影響を与える“内分泌(ホルモン)”の大きな変化がおこります。

それが更年期です。

更年期とは閉経を挟んだ前後5年ずつを指し、日本人では多くの人が45~55歳ごろに迎えます。

この年齢に近づくと卵巣機能が衰えはじめ、

ここから分泌されていた女性ホルモン「エストロゲン」が著しく減少してしまうのです。

エストロゲンには女性らしさや健康を保つなど多くの働きがありますが、

その1つに髪の成長を促進する作用があります。

ホルモンの分泌が正常な人の場合、髪の成長期は数年間に及びますが、

更年期に入ってエストロゲンが減少すると成長期が短くなって伸びないまま抜けてしまったり、

髪にツヤやコシを与えられなくなって細く弱々しくなったりしてしまいます。

さらに、エストロゲンの減少は自律神経の乱れも引き起こします。

自律神経は体の調子を整えるように働きますが、上手く調節できなくなると様々な機能に障害が現れ、

例えば血管では収縮が起こって血行不良などになります。

これによって下半身が冷えると、

上半身で大量の汗をかいたりのぼせたりする「ホットフラッシュ」といった

更年期障害を発症することになるのです。

この血行不良が頭皮で起こると、髪を作る細胞に十分な酸素や水分・栄養などが行き渡らなくなるために、

ツヤやコシが失われ、早く抜け落ちる原因にもなります。

つまり、ホットフラッシュと同様に、

薄毛もエストロゲンの減少によって生じる更年期障害の1つというわけです。

 

薄毛の症状

男性の薄毛というと、頭頂部の脱毛や生え際が後退するタイプが際立って多いですね。

これに対し、女性の抜け毛や薄毛は局部的ではなく、頭髪全体で満遍なく起こるのが特徴です。

このような女性特有の症状は「女性型脱毛症」や「びまん性脱毛症」と呼ばれています。

ただし、1か所が集中して抜けるわけでなく、髪の細さやコシのなさが目立つので、

全体としては脱毛というよりも薄毛の印象を持つ人が多いかもしれませんね。

更年期以降の女性では、これらの症状が髪全体で起こるため、

髪のボリュームがなくなった」という悩みが増えてきます。

髪が細くなった分、「地肌が見えやすくなる」、「分け目が目立つ」、

髪の色が薄くなる」と悩む人も多く見られます。

こういった症状は髪の長い女性では気づきにくいものも多く、

初めは「スタイリングが決まらない」と感じる程度ですが、

そのまま無自覚でいると、気づいた時にはかなり薄毛が進行してしまっていることもあります。

また、更年期世代の女性は子供の独立・夫の退職・親の介護など周囲が変化する時期に差し掛かり、

様々なストレスを抱えている人も少なくありません。

このため、エストロゲンの減少と過度のストレスによって

自律神経の調節機能がさらに低下し、薄毛の症状を起こりやすくすることがあります。

 
ただし、更年期でなくても女性ホルモンのバランスが崩れると脱毛がおこる場合があります。

例えば、出産後、一時的に髪が抜けたり髪質が変化したりするのも、

ホルモンバランスの乱れによる影響です。

まれにデヒドロテストステロンという男性ホルモンが病的に高くなることで、

薄毛や抜け毛がおこる場合もあります。

 

改善策

このように、更年期障害としての薄毛は、

エストロゲンの低下やそれに伴う自律神経の不調ストレスが主な原因となっています。

薄毛に気づいたら、これらの原因を少しでも取り除けるよう改善策をとるようにしましょう。

習慣的に行っている食生活ヘアケアなども見直しが必要かもしれません。

ここで挙げた改善策を参考に、美しい髪を取り戻せるように心掛けていきましょう。

マッサージ

更年期には自律神経が乱れがちになるため、

血管が必要以上に収縮し、血行が悪くなっていることがあります。

頭をつまむようにマッサージした時、

頭蓋骨の上を頭皮が動いたり、前髪が動いたりするのを感じられますか?

もし、頭皮が動かなかったり、動きが小さかったりするのなら、

頭皮の下にある「筋膜」が頭蓋骨に張り付いている可能性があります。

筋膜とは、肩こり解消の「肩甲骨はがし」などでも話題になった

筋肉や内臓などを包んでいる薄い膜のことです。

ここが強ばっていると血行が悪くなり、それによってさらに筋膜が貼りついたりして悪循環を起こし、

髪を作る細胞に必要な栄養分などを届けられなくなってしまうのです。

ですから、筋膜を剥がし、血行を良くするためのマッサージはとても効果的な改善策です。

 
最も簡単な方法は、指を広げ、頭の後ろ側を下から上へ手で包むように指を添わせていくものです。

サイドは耳の後ろの生え際から、前側はこめかみや生え際から同様に頭頂部へ向かって指を添わせます

このとき、指には決して力を加えず、髪の毛を逆撫でるように行ってください。

また、髪のツヤにも悩んでいるなら、マッサージの時にヘアオイルを使うのがおすすめです。

ツヤ出しだけでなく、マッサージ時の髪の摩擦を軽減する効果があり、

切れ毛を防ぐこともできますし、

アロマタイプを使えばリラックス効果によってストレスも緩和できます。

オイルを付け過ぎるとベタベタして不潔に見えたり、

毛束ができて余計に薄毛に見えたりしてしまうので、

状態を見ながら数滴程度にとどめておきましょう。

髪に塗ろうとせず、頭皮マッサージをしているうちに自然につく程度で大丈夫ですよ。

食事

更年期障害には、不足しているエストロゲンと同じように働く

大豆イソフラボン」を摂取するのがおすすめです。

自律神経の調子が改善し、血行が促進されることで髪の状態も良くなります。

大豆やその製品(豆腐、豆乳、納豆など)に多く含まれますが、

ひよこ豆やピーナッツなどの豆類でも摂ることができます。

しかし、中には大豆イソフラボンを体内で利用しにくい人もいます。

このような場合は、利用しやすい状態になっている「エクオール」を含んだサプリメントなどを

摂るようにすると良いでしょう。

また、ビタミンEには、血管を丈夫にし、血行促進を助ける働きがあります。

健康効果が高いとして話題のアーモンド・ヘーゼルナッツ・ピーナッツなどのナッツ類のほか、

玄米、ゴマ、ウナギなどに多く含まれています。

ただし、油脂を摂り過ぎると、頭皮での皮脂の分泌が過剰になってしまい、

毛穴を詰まらせる原因にもなりますので、気をつけましょう。

 
さらに、頭髪の原料となるアミノ酸を摂るのも美しい髪を保つには重要です。

髪の主成分はケラチンというタンパク質で、その原料となるのがアミノ酸だからです。

乳製品や鶏肉、大豆などには良質のタンパク質が含まれています。

太るのを気にして食事を減らすと、タンパク質が不足して髪が弱る原因にもなります。

しっかりと摂るように心掛けてくださいね。

 
また、ヘアケア商品メーカーであるアンファー㈱によると、

亜鉛には摂取したタンパク質から髪ができあがるのを助ける働きがあるそうです。

加えて、亜鉛には新陳代謝を盛んにする働きもあるため、薄毛には非常に効果の高い栄養素だそうですよ。

亜鉛は牡蠣やレバー、ゴマなどに多く含まれていますが、

様々な食品をバランスよく食べていれば不足も過剰も起こりにくい栄養素です。

ただし、豆類などに多く含まれる食物繊維には亜鉛の吸収を阻害する働きがあるため、

イソフラボンの補給などを目的に豆類の摂取を心掛けている場合は

亜鉛も積極的に摂るようにしましょう。

頭髪ケアの見直し

頭皮環境を整えることは髪の発育に不可欠なことですから、頭皮を清潔に保つシャンプーは重要です。

しかし、汚れを落とすためのものと考えて、

ついつい力を入れてしまったり、爪を立てて洗ってしまったりしていませんか?

これは頭皮にダメージを与えてしまうので、逆効果です。

洗う時は指の腹を用いて、頭皮に円を描くように優しく行ってください。

髪そのものを洗う必要はありません。シャンプーが行き渡っていれば十分です。

泡立てる時も髪に付けてから行うのではなく、

予め手のひらで軽く泡立ててから付けるようにしましょう。

すすぎ残しも抜け毛の元なので、しっかりと洗い流し

コンディショナーかトリートメントでケアしておきましょう。

このとき、前述の方法で頭皮をマッサージするのも良いでしょう。

最近のシャンプーには、

40代以降の女性を対象にした髪にボリュームが出せるタイプや、

育毛効果のあるものも販売されています。

価格は一般のものよりも高くなりますが、

自分の髪質や状態にあったものを選んで使ってみるのもいいですね。

育毛剤

以前は“男性のもの”というイメージもありましたが、

今や女性用育毛剤も多数販売されています。

「夫が使っている育毛剤を借りている」という女性も少なくないようですが、

更年期障害の症状として薄毛に悩んでいるのなら、

男性用ではなく女性用の育毛剤を使うことをおすすめします。

前述の通り、男性と女性では薄毛や脱毛の仕方に違いがあり、そのメカニズムも異なっています。

男性の脱毛は男性ホルモンの過剰が原因となっていることが多いため、

多くの男性用育毛剤には男性ホルモンの働きを抑制する成分が配合されています。

しかし、女性の場合はエストロゲンの不足などが原因であり、

もともと男性ホルモンの分泌量も少ないですから、男性用育毛剤では効果が得られにくいのです。

また、女性のほうが男性よりも肌が弱いため、

刺激の強い男性用を使うと皮膚炎などのトラブルを起こすこともあります。

一方、女性用の育毛剤は不必要な添加物を取り除き、刺激を少なくしたものが多くあります。

育毛成分はメーカーによって様々ですが、

  • 髪の成長に効果がある生薬エキス(センブリ、カンゾウ、ヨモギ、シャクヤクなど)
  • 髪の栄養源となるアミノ酸
  • 血行を促進するフロジン液やミノキシジル

などが配合されています。

分類も製品によって「医薬品」「医薬部外品」のほか「化粧品」などがあります。

効果には個人差がありますが、医薬品と医薬部外品は効果が認められた成分を含んでいるものなので、

迷ったらこれらの中から選ぶのが良いでしょう。

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