高血圧・動脈硬化

たまねぎの血液サラサラ効果は高血圧に効く!

血液の状態は「血圧」に大きく影響し、悪化すれば高血圧の原因になります。

この良好な状態を表す「血液サラサラ」は誰もが耳にしたことのある言葉であり、

その効果が得られる食品やサプリメントが注目を浴びています。

その1つがたまねぎです。

ここでは、たまねぎが高血圧にもたらす効果と、それにまつわる“ウソ”・“ホント”をわかりやすく解説し、

効果的な摂り方や注意点についても紹介しています。

 

血液の危険度の見極め方

全身を巡る血液は、必要な物質を届け、不要な物質を運び出すという役割を持っています。

そのため、体内での物質の状態が正常かどうかをいち早く知るための情報がふんだんに含まれています。

“血液がサラサラ”という状態も、これらを反映しているといえるわけですね。

血液サラサラとは?

血液サラサラ」は広告やTV番組でもよく扱われているため、

高血圧や糖尿病など「生活習慣病」の指標として認識している人も多いことでしょう。

なぜなら、この反対を表す「血液ドロドロ」の状態は、

血管の中…特に毛細血管のような細いところを血液が流れにくく、

高血圧になりやすい傾向がみられるからです。

また、それによって血管が損傷を受けたり、高血糖によって血液の成分や血管が変性(糖化)したりして

「動脈硬化」を起こす原因となることも挙げられます。

動脈硬化が進むと血管が細く硬くなってしまうため、血液が流れにくくなり、

さらに高血圧を悪化させることになりますね。

このような「サラサラ」「ドロドロ」といった表現は、

血液や血管の状態を正しく認識するうえで誤解があるという指摘もありますが、

本記事では血液が血管内をスムーズに流れられる状態

「血液サラサラ」として捉えていきたいと思います。

 
では、血液が“サラサラ”かそうでないかを見極めるには、どうすれば良いのでしょうか?

よく取り上げられるのが「血中コレステロール」です。

これにはHDL(善玉)LDL(悪玉)があることは有名ですが、実はどちらも同じ物質です。

肝臓で作られたコレステロールを末端の各組織に運ぶときが「LDL」

古いコレステロールを回収して肝臓に戻るときが「HDL」と呼ばれるのです。

この両者のバランスが崩れたら、コレステロールの代謝がうまく行われないことになりますね。

すると、過剰なコレステロールが組織を酸化して、変性させたりダメージを与えたりするようになります。

これが血管で起こると動脈硬化の進行につながります。

そのため、以前は両者を合わせた「総コレステロール値」を判断基準にしていましたが、

最近では、単に総コレステロール値が低ければ良いというわけではなく、

HDLとLDLのバランスを見ることが大切とされています。

血液サラサラか調べるには

血液の状態を知るには、血液検査を受けるのが一番です。

一般的な健康診断でも検査していることが多いので、以前の結果を見てみると良いでしょう。

 
結果表には、コレステロール値がHDLとLDLに分けて書かれていると思います。

両者のバランスとコレステロールの代謝には関係があるわけですから、

それを表す「LH比(LDL・HDLコレステロールの比率)」をみれば、

血液の状態を判断できるというわけです。

結果に記載されているLDL・HDLの数値を用いて、次のようにLH比を計算してみましょう。

LH比 = LDLコレステロール値 ÷ HDLコレステロール値

検査機関によってはLH比を記載してくれるところもありますので、

項目があるか探してみてくださいね(L/Hと表記されることもあります)。

この数値によって、次のように血管の状態を知ることができます。

 

《LH比からみる血管の状態》
LH比血管内の状態
1.5以下きれいで健康な状態
2.0以上コレステロールの蓄積が増えて、動脈硬化が疑われる。
2.5以上血栓ができている可能性があり、心筋梗塞のリスクも増している。

LH比は脂質異常症の判定によく用いられる数値で、

動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす危険度を知ることができます。

動脈硬化は高血圧の原因の大部分を占める病態ですから、

LH比を把握しておくことは高血圧の状態(レベル)を知ることにもなるわけです。

そして、LDLコレステロールが過剰にある状態…つまりLH比が高い状態を「血液ドロドロ」

低い状態を「血液サラサラ」と表現しています。

数値でいうと、LH比が

1.5以下なら「サラサラ」
2.0以上なら「ドロドロ」
その中間は「ドロドロ予備軍」

となります。

なお、LH比が比較的低くても、

単独で「LDLコレステロール値が140mg/dl以上」または「HDLコレステロール値が40mg/dl未満」の場合は

男女とも治療が必要とされるので、気を付けましょう。

なぜLDLコレステロールは悪玉なのか?

では、なぜLDLコレステロールが多いと血液がドロドロになって動脈硬化の原因になるのでしょう?

これには、粒子が大きいので流れにくいことと酸化されやすいことが挙げられます。

LDLコレステロールは増えすぎると血管に傷をつけ、その隙間に入り込みやすくなるのです。

すると、活性酸素によって「酸化LDL」という物質に変わるのですが、

これは私たちの体から見ると排除すべき異物として扱われます。

そのため、免疫細胞「マクロファージ」が集まって、これを自分の中に取り込み「泡沫細胞」に変化します。

これが血管の壁にコブのような状態でへばりついているため、

血管は柔軟性を失い、内径も狭まって「動脈硬化」になってしまうのです。

ドロドロに加えて血管が細くなると血液はさらに流れにくくなりますから、

血圧が上がることになります。

このため、動脈硬化の直接的な原因になり高血圧を引き起こすとして、

LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれているんですね。

 

たまねぎの効果

では、動脈硬化を防ぎ、血圧を下げるにはどうしたら良いのでしょう?

原因となるLDLコレステロールは脂質の一種ですが、実は食事から脂質を摂らないように気を付けても、

体内のコレステロール量に変化がないことが確認されています。

これは、コレステロールが細胞膜やホルモンの原料となる欠かせない物質でもあるため

体が合成してしまうからです。

そのため、コレステロールの数値を下げようとすることは、あまり現実的とは言えません。

事実、厚生労働省でもコレステロールの値を頑張って下げるより、

血管年齢を下げる(=動脈硬化を防ぐ)食べ物を摂取する方法を推奨しています。

つまり、

  • LDLコレステロールが壁に付着しないようにする(血流をスムーズにする)
  • 活性酸素を減らして酸化LDLを作りにくくする

ことが現実的な方法だと言っているわけです。

厚生労働省では、このための物質としてビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、β-カロチンなどの

「抗酸化物質」を含む食品の摂取を奨励しています。

抗酸化物質は動脈硬化だけでなく、肌などの“アンチエイジング効果”も期待できるので、

女性には嬉しい成分ですね。

そして、今回の「たまねぎ」にも血液サラサラを保つための成分が含まれているのです。

主だったものを紹介しましょう。

ケルセチン

ポリフェノールの一種である「ケルセチン」は、脂質の酸化を防ぐ“抗酸化物質”で、

さらに同じ抗酸化物質である「ビタミンC」の働きを高めると言われています。

ケルセチンは多くの野菜や果物に含まれますが、

豊富かつ利用しやすい形で含んでいるのが「たまねぎ」なんです。

ケルセチンは通常、糖が結合した“配糖体”として存在し、これには種類があるのですが、

その中でも吸収されやすいのがグルコシド結合したもので、たまねぎにはこれが多く含まれているんですね。

特に皮の部分に多く含まれていることがわかっており、

昔はたまねぎの皮を“煎じ薬”として利用していたんですよ。

ケルセチンの効果はその強力な抗酸化作用により、

活性酸素によってLDLコレステロールが酸化されるのを防ぎ、

血管にこびりついたりダメージを与えたりしないように働くことです。

「血液サラサラ」を保ち、これによって動脈硬化を防止できるということですね。

ケルセチンの抗酸化作用は強いので、

活性酸素により発症・進行する“がん”“糖尿病”などにも効果があると期待されています。

硫化アリル

たまねぎを切ったとき、涙がでるほどの刺激がありますね。

この主成分が「硫化アリル」というイオウ化合物で、

ニンニクやニラ、ネギなどにも含まれる物質です。

切っただけであの刺激ですから、非常に揮発性が高いこともわかりますね。

たまねぎに含まれる硫化アリルの多くは「アリシン」という物質です。

ただし、初めに存在するのは「アリイン」という物質で、

たまねぎを切ったり潰したりすることで酵素と反応し、「アリシン」に変化するのです。

 
硫化アリルには疲労回復のほか、抗酸化作用によるLDLコレステロールの酸化防止や、

血液凝固に関わるフィブリノーゲンの働きを阻害することで血栓防止の効果があると言われています。

また、体内の抗酸化物質を助ける働きも確認され、さらに抗酸化力を高めることも期待されています。

酸化LDLの発生を抑制できれば動脈硬化も起こりにくくなりますし、

血液の凝集が起こりにくければ細い血管の中でも詰まらないので、

血液サラサラ」になると言われるわけです。

 

たまねぎ効果のウソ・ホント

実は、たまねぎの「血液サラサラ」効果を疑う声もあります。

もともと、この説は食品メーカーであるハウス食品が長年の研究により論文発表したものです。

しかし、臨床実験のデータが少ないという点が、人への効果を疑問視する結果となっています。

特に、ケルセチンに関する効果について、国立健康・栄養研究所では別の機関の実験データを提示し、

血清脂質 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) 、

血管機能に影響が認められなかったケースを紹介しています。

ただし、微妙な解釈になりますが、

「効果がない」のではなく「有効性を保証するのに十分なデータがない」ということで、

前項で述べた効果は試験管レベルや動物実験では広く認められています

ただ、人体でのエビデンス(科学的な証拠)がまだ得られていない、あるいは不十分であるということです。

 
また、「血液サラサラ」に関しては、ドロドロの状態を治す

…例えば、酸化LDLをLDLに戻したり、生じた血栓を溶解したり…といったことではなく、

予防的に酸化LDLや血栓を作りにくくして、血液が流れやすい状態を維持するという意味合いになります。

加熱した硫化アリルには毛細血管を拡げて血流を改善する作用が確認されていますが、

これも血液のドロドロを改善したのではなく、

スムーズに流れるようになったことでドロドロでもサラサラになったように見えるわけです。

これを拡大解釈して、「たまねぎがドロドロの血液をサラサラにした」と表現しているケースが多いので、

「ウソ」と言われるケースもあるようです。

たまねぎによってドロドロになった血液が健康な状態になることはありませんが、

血流を改善しドロドロになるのを予防する効果は期待できる、とみるのが妥当な解釈ということでしょう。

 

上手な摂り方とおすすめのメニュー

それでは、たまねぎの有効成分を効率よく摂り入れるにはどうすれば良いでしょうか?

成分ごとに性質が異なるので、それぞれ紹介していきましょう。

ケルセチン

ケルセチンは非常に水に溶けやすい性質をもっています。

このため、たまねぎを水にさらすのは避けましょう

たくさんのケルセチンを水の中に捨てることになってしまうので、

必要な時はできるだけ短時間にしてください。

一方で、吸収の面では油脂類と一緒に摂取した方が良いことが報告されています。

肉や魚の油脂だけでなく、ドレッシングやマヨネーズ、乳製品などの油分でも大丈夫ですよ。

硫化アリル

ケルセチン同様、硫化アリルも水溶性の物質なので、水にさらすと多くが流れ出てしまいます

また、常温でも揮発性の高い成分なので、切っていると目が痛くなりますね。

しかし、前述の通り、玉ねぎに含まれるアリインをアリシンに変化させるには、

切るか潰すかして酵素と反応させることが必要です。

でも、目が痛くなるのは辛いですよね。

そこで、たまねぎを冷蔵庫の野菜室でよく冷やしてから切るようにしましょう。

温度が低いほど揮発しにくくなるので、冷えたたまねぎの硫化アリルは揮発しにくくなっています

冷えているうちによく切って、しっかりと酵素反応させましょう。

 
一方で、硫化アリルには熱に弱いという性質もあります。

そのため、最も手軽な摂取方法は「生のまま食べる」ことです。

辛味が気になるときは酸味のあるドレッシングや酢を使うと、マイルドになるので試してみてくださいね。

なお、たまねぎを加熱したいときは、切った後、小一時間放置してから調理するようにしてください。

熱に弱い硫化アリルも、放置することで酵素と反応し熱に強い物質に変化させることができますよ。

たまねぎを加熱すると甘みが増すので、加熱調理に使う機会も多いと思いますが、

実はこの甘みの正体は、硫化アリルが加熱によって

糖度の高いプロピルメルカプタンという物質に変化したことによるものです。

ぜひ、早めに切っておくようにしましょう。

 
さらに、効果をプラスしたいなら、ビタミンB1を含む食材と一緒に摂ることをおすすめします。

硫化アリルはビタミンB1と結合して「アリチアミン」となることで、

ビタミンB1が分解されるのを防ぎ、腸管での吸収が良くなるとされています。

このアリチアミンは武田薬品工業の栄養補助剤などでお馴染みの『アリナミン』の原点にもなった物質で、

疲労回復や不眠・イライラの軽減に効果があると言われています。

ビタミンB1は豚肉やカツオ、大豆などに多く含まれるので、一緒に食べるといいですね。

手軽なおすすめメニュー

でh、以上の性質を踏まえた上で、おすすめの調理法を紹介していきましょう。

最も簡単なのは「オニオンスライス」。

薄く切るだけで有効成分がとれるので、手間いらずです。

ただし、できるだけ水にさらさずに食べてくださいね。

その際、ビタミンB1の豊富な鰹節をふりかけ、

油脂を含むドレッシングやマヨネーズで味付けすると、さらに効果的に摂ることができます。

カツオのたたきにオニオンスライスを載せ、

オリーブオイルをプラスして“カルパッチョ風”にするのもおすすめです。

 
でも、中には“生のたまねぎ”が苦手な人もいますよね。

そんなときは、「スープ」「カレー」「シチュー」などの煮込み料理でたまねぎを摂りましょう。

たまねぎを切って小一時間おいてから加熱してくださいね。

また、煮込むときには、ぜひケルセチン豊富な“たまねぎの皮”も一緒に入れてください

ネットやお茶用パックなどに入れておけば、ブーケガルニのように取り出すのも簡単です。

スープだと油分が少ないので副菜で摂ることが必要ですが、

シチューやカレーならルーの中に油脂がたくさん含まれているので、一品でも吸収しやすいためお手軽です。

そして、具材には豚肉や大豆などビタミンB1を含むものを入れましょう。

溶け出したケルセチンや硫化アリルも水分ごと摂取できますし、

これらと相性のよい成分を一緒に摂ることも簡単です。

諸説ありますが、血液サラサラを維持するためには、

たまねぎを1 日あたり2分の1個が目安と言われています。

たまねぎは摂取しやすい食材なので、毎日の食卓に取り入れていきましょう。

関連記事

  1. 高血圧・動脈硬化

    血圧を下げる食事のたった3つのポイント

    高血圧の治療を受けている人は、まず間違いなく「食生活の改善」を…

  2. 高血圧・動脈硬化

    徹底解説!コーヒーは血圧を上げる?下げる?

    今や街中に溢れるコーヒーショップは、一息つきたいときに欠かせな…

  3. 高血圧・動脈硬化

    気をつけよう!妊娠中の高血圧

    重篤な合併症を伴うこともある高血圧ですが、妊娠という特…

  4. 高血圧・動脈硬化

    〝しびれ”は危険のサイン 高血圧がもたらす合併症について

    高血圧は自覚症状に乏しいものの、命に関わる合併症が多いため「サ…

  5. 高血圧・動脈硬化

    高血圧と血糖値の深い関係とは?改善するには

    血糖値が高いと「糖尿病」になるということは、広く知られています…

  6. 高血圧・動脈硬化

    もはや常識!?牛乳が高血圧を改善する!

    「牛乳」というと、健康的だけれど「太りそう」なイメージってあり…

高血圧の記事一覧

最近の記事

  1. 更年期障害

    更年期障害と頭痛の深い関係
  2. 高血圧・動脈硬化

    息切れは高血圧悪化のサインかも?
  3. 老眼

    老眼を悪化させる5つの原因と予防する方法
  4. 老眼

    こんなに不便!少しでも老眼を予防するには
  5. 高血圧・動脈硬化

    閉経すると高血圧になりやすい?高血圧と更年期の関係
PAGE TOP